かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

 MOA美術館『光琳デザインII』『かわいいミニチュア』など

今回の旅行の目的地は,京都・大阪がメインですが,行きがけの駄賃(!?)ということで,熱海で途中下車して,MOA美術館に立ち寄りました.時間の都合もあり,今回は光琳デザインII』『かわいいミニチュア』の2つの小企画展示と古美術の絵画を中心に見て回りました.


光琳デザインII』は昨年開催の『光琳デザイン』の続編で,光琳意匠の継承と展開を18〜19世紀の作品によって概観するものです.展示されている作品は美術・工芸のさまざまな分野にわたっており,なかなか華やかなものでした.その中心は酒井抱一の絵画やその下絵による羊遊斎の蒔絵,あるいは仁阿弥道八による京焼きでしょうか.
絵画では,小川破笠,俵屋宗理,鈴木其一と3作並べられた〈乙御前図〉もおもしろかったですが,酒井抱一紅白梅図屏風6曲1双[出光美術館]がなんといってもよかったです.銀地を夜の闇に見立てた絵画空間の渋さが際だっていて,匂うような春の宵が画面から浮かび上がってくるようでした.


『かわいいミニチュア』は,文字通りミニチュア,小さなものを集めた展示ですが,主に中国・朝鮮・日本の焼き物や,西アジアを含む考古遺物が集められていました.動物を題材にしたものが中心かなと思っていたのですが,これはそれほどでもなく,実用品のミニチュアが意外に多かったですね.
展示中おもしろかったのは,狩野探幽〈騎駝人物図(探幽縮図の内)〉.これは雪舟を写した縮図ですが,きちんと軸装し,それがちょっと仰々しく飾られてあるのが,かえって可愛らしかったですね.
それから,西アジアの考古遺物は,造形感覚が日本,東アジアのそれと大分異なっていて,その異形ぶりが異彩を放っていました.


古美術の絵画もいくつかおもしろいものがありましたが,中では海北友松〈四季山水図屏風〉(8曲1双)が,8曲という横長の画面(しかも少し丈が低い)に平坦な山水がゆったりと構成されており,そのおおような感じがよかったです.