かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

 榊原悟『日本絵画の見方』角川選書371,読了.

日本絵画の見方 (角川選書)
古美術の絵画について,前半は近・現代とはいささかことなる作品観・作者観を,後半は絵画の「もの」としての側面−材質・形状・画面形式など−を,豊富な具体例に則して,丁寧に解説した本です.後半についてはこれまであまりうまくまとめたものを見かけなかったので,読んでいて大助かり,料紙の項などとても参考になりました.印象深かったのは,「大和守日記」に関する記述.狩野探幽を初めとする絵師たちや,あるいはコレクターたる大名の実態が生々しく再現されていて,興味深かったですね.注文をつければ(無い物ねだり!),絵の具,筆法・筆様についてもう少し書いてほしかった.それから,索引(用語,作品,人名)は必須でしょう.つけてほしかったですね.