かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

 水戸芸術館『日比野克彦の一人万博』

日比野克彦の個展です.会場は水戸芸術館現代美術ギャラリーの他,同広場,近くの小さな雑居ビル,セントラルビルの中のギャラリーの3箇所.
現代美術ギャラリーの第1室には,市民との共同制作.日比野が出したいくつかのキーワードをもとに作られた大きめの段ボールオブジェが7作,展示してありました.この中では,私は《美味しそうな木》が好きになりました.また,部屋の四周には,やはり市民が作った大・中・小・もちっと小の4つ組のオブジェが並べられており,中にはおおこれはっ!というものもあったりして,意外におもしろかったです.
第2室から第4室は《BEYOND THE BEYOND》とタイトルされた作品です.第2室の《X》は砂で都市空間(?)を造形したもので,全体に迷路のように張り巡らされた道がちょっとおもしろい.また,反対側には砂場があって,観客(子供たち)が日比野に対抗して(!?)自由に砂で作れるようになっているのがよかったですね.私が行ったときには,スフィンクス似の秀作がありました.第3室は巨大な段ボールの塔.これは内部に入れるようになっていて,内部から見上げたときの塔の先端からのぞく小さく区切られた空(天井)が,そこから想像力がぐんぐん飛翔していくような感じに見えて,けっこうわくわくしてしまいました.第4室は大きなガラス玉を連ねた伝声管のようなもの.コミュニケーションがテーマだとか.
第5室は段ボールを使った新作.第6室は80年代の作品が大量に展示してありました.新作も含めてですが,日比野克彦の作品にはいい意味でも悪い意味でも80年代的な無邪気さのようなものを強く感じてしまいます.それにしても80年代の作品の多くに「HIBINO SPECIAL」とあるのが,なんだかおもしろかったですね.
第7室は「一昨日テレビ局」.第8室は「明後日新聞社」.「明後日新聞社」で,記事を投稿すると,この展覧会のために作った段ボールポスターが,もれなくもらえるそうです.また,「明後日新聞」も各号30円で販売していました(これはミュージアム・ショップにて).
次に屋外.2Fのテラスには《DAY BY DAY》,広場のはしの芝生には朝顔のシャワー》と題されたともに朝顔を使ったインスタレーションがありました.特に前者はなかなかの大作で見応え十分(のはず).残念ながら,出かけたのが夕方だったので,朝顔はちょっと咲いていなかったのですが...
この屋外展示を見た後,5分ほど歩いたところにあるセントラルビルに移動して,2Fのギャラリーで日比野がデザインした野田秀樹の芝居の衣裳を見ました.『赤鬼』の衣裳など.ちょっとなつかしかったですね.
【メモ】水戸芸術館現代美術センター 2005.8/6〜9/19  企画:森司(水戸芸術館現代美術センター主任学芸員