かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

 西本願寺(対面所・白書院など)

ちょうど11日に下京門前町ルネッサンスというイベントが開催され,ラッキーなことに西本願寺書院飛雲閣が無料で公開されるとの情報を得ました.これは見に行かずばなるまい,ということで,急遽西本願寺に立ち寄ることにした次第です.西本願寺には膨大な障壁画が残されていますが,今回見ることができたのは白書院,対面所とその周囲の障壁画で,江戸初の江戸狩野派のチームが担当したゼネコン仕事になります(狩野探幽は白書院,対面所などの障壁画制作には不参加.別に黒書院を描いています.).豪奢でシック,というところでしょうか.
さて,室内に入れなかったり,照明が暗かったり,公開のため杉戸などがはずされていたりで,十分に見られた,とはいかなかったのですが,以下,順を追って,私の見た箇所をメモしておきます.

1.狭屋の間(対面所東側)
2.装束の間(白書院東側) 
3.狭屋の間(白書院北側)
4.白書院一の間(紫明の間)
5.白書院二の間
6.白書院三の間
7.狭屋の間(白書院西側)
8.菊の間(対面所西側)
9.雁の間(対面所西側)
10.雀の間(対面所西側)
11.対面所

1.《藤図》・《巻子・冊子・色紙図》(天井画).外に面していることもあり,ここはよく見えました.《巻子・冊子・色紙図》のうち,室の中央にちょこんと猫がいて,とても可愛らしかったのですが,これは何でも書籍を食い荒らす鼠避けのために描かれたのだとか.この部屋の東側が枯山水庭園《虎渓の庭》になります.
2.《韃靼狩猟図》.暗い照明が点いているのみで,ぼんやりして(雰囲気はあったけれど)絵自体はほとんど見えませんでした.
3.《武蔵野図》.薄をあしらった武蔵野図が描かれていました.薄は風になびいていて,また,月が中央ではなく,端に(東側の入口上方)に描かれていたのがおもしろかったです.
4.《帝鑑図》.5.《帝鑑図》.6.《花鳥図》.白書院は,3の狭屋の間から内部を覗いたのですが,ここもやはり暗くて,ぼんやりとしか見えませんでした.
7.《団扇図》・《花卉図》(天井画).白書院の西側の部屋になります.大きめに描かれた団扇の図がちょっとモダンな印象.
8.《菊垣図》・《扇面図》(天井画).7の南側の狭屋の間から見ました.ここはわりとよく見えました.
9.《雁図》・《鉄線図》(天井画).8の南側の部屋です.同じく7の南側の狭屋の間から見ました.ここもわりとよく見えました.
10.《竹雀図》・《花卉図》(天井画).対面所の西側にある部屋(4部屋.障壁画はこのうちの3部屋,8〜10にあり)のうち,一番南側の部屋になります.ここも外光の入る部屋で,しかも西と南の2箇所から見ることができました.確か,雀が2羽だったか,絵から抜け出した,というような逸話があったと思いますが...(未確認です).題材だけあって,なかなか可愛らしい空間でした.
11.この部屋は中に入ることができました.障壁画の一部は,わりと近寄って見ることができ,なかなかおもしろかったですね.ちょうど結婚式の写真撮影があったりして,これもおもしろかったな.さて,上段ですが,北側に武帝西王母図》張良引四皓謁太子図》があるのですが,これは近寄れず,かつ暗いため,ほとんど見えませんでした.また,上々段《唐子遊戯図》は,全く見ることができませんでした.対面所の西側《花鳥図》,南側の《飛翔群鶴図》(雁も飛んでいましたが...),東側の《老梅図》はこれはわりと近づくこともでき,おかげでじっくりと堪能できました.やはり,西側の大画面《花鳥図》の豪奢な画面が印象に残っています.
この他に,室内に上がる時に,虎の間というところを通ったのですが,虎が多数,板壁に描かれていました.といっても,ほとんど色は剥落していて,板面に虎と竹(?)のシルエットが残っている,という風でした.
対面所・白書院に続いて,飛雲閣唐門を見学.飛雲閣は外部のみですが,そのユニークなシルエットはなかなかおもしろかったです.唐門は東側半分を見ただけですが,あたかも空想動物園のごとしで,唐獅子や麒麟鳳凰などさまざまなおめでたい(!?)鳥獣が浮き彫りにしてあり,見ていて飽きませんでした.それと「許由巣父」のエピソードが彫られていて,これもまた印象的でした.
今日見た障壁画ですが,どこに何があるかの確認に終始して,それほどじっくり見られなかったので,機会があったら再戦を挑みたいなと思っています.なお,『日本古寺美術全集 21 本願寺知恩院集英社)ととんかつ一番サイトを参考にしました.とんかつ一番は,西本願寺の近くにあるとんかつ屋さんですが,ここの観光紹介のページがなかなか充実しており,平面図など,とても参考になりました.多謝.チャンスがあったら,次はランチを食べに立ち寄りたいと思います.