かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

 やまとうた 美のこころ (宮内庁三の丸尚蔵館)

三の丸尚蔵館で『やまとうた 美のこころ』展(前期)を見てきました.
今年は「古今和歌集」成立から1100年,「新古今和歌集」成立から800年と節目の年にあたるため,それに因んだ展覧会が各所で開催されています.この展覧会もその一つで,御物や宮内庁三の丸尚蔵館宮内庁書陵部の所蔵/所管する資料・美術工芸品から和歌にちなんだものをセレクトした展覧会です.
古来よりの歌人たちが書き写した(といっても,すべて「伝〜」でしたが)歌集の類もよかったのですが(個人的には伝藤原行成筆『粘葉本和漢朗詠集』[2帖・11世紀]がいい感じ),やはり絵画に目が向きます.
百人一首風の歌仙絵とは異なるちょっと変な感じのものがいくつかあって,それらに惹かれました.例えば『古筆手鏡〈2号〉』所収の《歌合色紙「小野篁像」》(伝鷹司輔信か・1葉・18c).この小野篁像は膝を抱えて,なにやら鬱屈した表情の篁が描かれています.優雅な王朝歌人にはとても見えず,それだけにとても人間くさくて個性的でした.
また,伝頼寿《小野道風像》(1幅・鎌倉時代[13c])の小野道風もけっこう変な顔をしていました.いやいや,興味深いなあ,ということです.
他には狩野探幽《井出玉川・大井川図屏風》(6曲1双・17c)や尾形光琳西行物語絵巻》(全4巻・18c.展示はこのうちの巻1[部分])など.