かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

 2005コレクション展II (福岡県立美術館)

小特集
01.福岡藩の絵師たちの軌跡・尾形家絵画資料
02.久我コレクションにみる九州陶磁

福岡県立美術館の2大コレクション,尾形家絵画資料(総計4791点)と久我コレクションから小特集が組まれていました.
01は福岡藩黒田家に絵師として使えた尾形家に残る粉本を中心とした資料展.狩野探幽や土佐派の絵を写したものの他に,例えば海亀を上・横・下から観察して精密に描いた博物図譜風の《海亀図》や,《百物語図》などもあり,なかなかヴァラエティに富んでいました.中には好きで描いたものもあるんでしょうが,とにかく顧客(お殿様!)のさまざまなニーズに応えなければならなかったんだな,と感心.《酒呑童子絵巻》の模写(眠りこけている酒呑童子の手足を上臈たちがさすっているシーンが出ていました.狩野元信本[サントリー美術館]とほぼ同じ)もありました.この絵巻は,こうして写され,さまざまに伝播していったんですね.なかなか興味深かったです.

尾形家系図    =は実子 −は養子
仲由(?〜1669)=守義(?〜1682)=守房(?〜1732)=守等(1695〜1772)−守厚(1722〜1781)−洞谷(1753〜1817)−洞霄(1791〜1863)−探香(1812〜1868)=洞眠(1839〜1895)

02は坂本繁二郎を世に出した画商として知られる久我五千男(くが・いちお)のコレクションから,九州陶磁(全部で450件以上ある)の名品をセレクトした展示.昨日から陶磁器見まくりで,ちょっと脳みそから溢れてきました...[苦笑]