かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

 法然院

続いて,法然院の障壁画を見に行きました.
法然院はわりと好きなところでこれまで何度も来ているのですが,伽藍の中に入るのはこれが初めて.こぢんまりしたところだとばかり思っていたのですが,中に入るとこれが意外にも広くてびっくり.本堂,方丈,大書院などなどいくつかの建物が連なっていました.
まずはじめに本堂でご本尊他の説明を受け,その後,お目当ての方丈画を拝観しました.法然院の方丈画は大きく二つに分かれます.方丈北側の狩野光信による障壁画,南側の堂本印象による襖絵です.以下,その概略を記します(観覧順).

         西

  │06│05│−−−−−
南 −−−−−│03│04│ 北
  │01│02│
       方丈庭園
         東
01.静風自来之間 堂本印象《静風自来》(1971) 襖12面
02.快風悦水之間 堂本印象《快風悦水》(1971) 襖12面
03.二之間 西側:狩野光信《槇海棠図》紙本金地着色・襖4面
04.上之間 西側→北側:狩野光信《花鳥(桐・芍薬・竹)図》紙本金地着色・襖4面(西側)・床貼付3面(北側)
  北側:狩野光信《若松図違棚奥貼付》紙本金地着色・3面
05.浄妙慶処之間 堂本印象《浄妙慶処》(1971) 襖12面
06.古得安道之間 堂本印象《古得安道》(1971) 襖12面

この他,大書院にも障壁画がありました.北側の室には仏画などが展示してあって確認できませんでしたが(柳図や山水図らしい),南側の室には龍を描いた水墨による襖絵がありました.落款は「春日画所琢眼筆」.
大書院の北側の室には,狩野光信《雪松図屏風》(2曲1双・紙本金地着色)も展示してありました.引き手跡などから,もとは障壁画だったと推定できるものです.これはわりと近づいて見ることができました.線の軽い瀟洒なタッチに光信らしさがよく出ているのでは,と思いました.北側の1室は「見晴らしの間」というそうで,西の方に広がる京都の町並みが一望でき,なかなかすがすがしいいい眺めでした.
帰り際,休憩のための一室でちょっとひと休み.方丈庭園に湧き出る名水「善気水」でいれたお茶をいただきました.この善気水は中興以来絶えることなく湧き出ているそうです.ごちそうさまでした.
なお,法然院の特別公開も(財)京都古文化保存協会の「第41回京都非公開文化財特別拝観」によるものです.
【メモ】法然院  秋季伽藍内特別公開:毎年11/1〜11/7  春季伽藍内特別公開:毎年4/1〜4/7 (財)京都古文化保存協会