かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

 VISION II  前期:豊田市美術館のコレクション1995−2005  (豊田市美術館)

豊田市美術館の開館10周年を記念してのコレクション展です.5周年のときの『VISION』展に続き,10周年の今回は『VISION II』というタイトルでの開催です.
お出迎えは《イチハラヒロコ恋みくじ》.早速「恋みくじ」を引いてみると,第九番「その愛でいいのか。」でした.いいんだよ!文句あるかっ!!...いや,図星を指されたもので...
まずは1Fの展示室8から見て回りました.この展示室は「コレクションと展覧会」という副題がついていて,これまで豊田市美術館が開催した展覧会のダイジェストした内容の展示でした.トニー・クラッグ,野村仁,若林奮,イケムラレイコ,河原温,松沢宥,ソフィ・カル,曽根裕,李禹煥,ダニエル・ビュレン,川俣正,ジュゼッペ・ペノーネ,北山善夫らの作品が出ていました.おもしろかったのは,もの派の作家たち(ただし,必ずしも「もの派」の作品ではない)とアルテ・ポーヴェラの作品を連続して見られたこと.高松次郎《四つの杉の単体》(1970)とジュゼッペ・ペノーネ《12メートルの木》(1982)を同じ視野の中で見られたのはおもしろい経験でした.それから私の好きな若林奮の犬の彫刻,《大風景(4th stage)》があったのもうれしいところ.圧巻はソフィ・カルの《盲目の人々》のシリーズ.これは目の見えない人に,あなたにとって「美」のイメージとは何ですか?という趣旨の問いに答えてもらい,その人のポートレイトと回答(テキスト),そしてその回答に基づく写真などを組み合わせた作品です.数組の作品が展示してあったのですが,それぞれ作品が持つ清澄な力がストレートに伝わってきます.ただ美しいだけではなく,静寂と響きを併せ持っているような両義的な表現の強さを感じた次第です.



10周年記念のおみやげ(ただし,豊田市美術館とは直接関係のないミュージアム・グッズ)までいただき,ちょっとうれしい展覧会でした.
なお,『VISION II』の後期は「内なるこども」というタイトルで2006.4/14〜6/18の会期で開催されます.
【メモ】豊田市美術館 http://www.museum.toyota.aichi.jp/ 会期:2006.1/8〜4/2