かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

 建仁寺両足院

続いて,建仁寺塔頭,両足院を訪ねました.「第40回 京の冬の旅 非公開文化財特別公開」での拝観になります.
両足院は建仁寺住持第35世龍山徳見(1284〜1358)を開山として,今から約650年前に創建されました.両足院の「両足」は仏の尊称の一つである「両足尊」からとられたものだそうです.
今回の私のお目当ては,長谷川等伯《松に童子図襖》と伊藤若冲《雪中雄鶏図》だったのですが,まずはじめに方丈を拝観した後,別棟の書院でこれらお目当てに対面することができました.
長谷川等伯の《松に童子図襖》(紙本墨画・4面)は,等伯の晩年期の作品で改装の痕跡がはっきりわかるものでした(一回り大きな襖に改装).もともとは1室を飾る障壁画の部分だと思われますが,現状は4面のみで量的にはちょっと物足りないかも.それでもけっこう近づいて見ることができたのは,うれしいところでした.画面の童子の一人が例の豚っ鼻で,ああ,等伯なんだなと一人ニヤニヤ合点した(!?)のですが,等伯の描く人物ってどこか崩してあって,それが個性的で大好きだったりします.また,筆を左右に素早く往復させて描いた杉の枝振りなどもなかなかおもしろかったですね(これは後で見た妙心寺隣華院でもたっぷり見られました).
伊藤若冲の《雪中雄鶏図》(絹本着色・1幅)は書院のいちばん南側の部屋の床の間にかけてありました.以前,寄託先の京博で見たことがあったのですが,今回はガラスなしの上,間近で見ることができました.雪の降り積もった地面に餌を探す雄鶏の姿も印象的でしたが,雪に凍えるように咲き初める椿や梅の花がいい感じでした.また,梅のか細い枝にとまる鶯の若々しい姿もよかったです.
両足院では,この他に3つの庭園,「唐門前庭」・「方丈前庭」(枯山水)・「書院前庭」(池泉回遊式)と2つの茶室,「水月亭」,「臨池亭」などを見学しました.「水月亭」は「如庵」の写しだそうです.
【メモ】「第40回 京の冬の旅 非公開文化財特別公開」 期間:2006.1/14〜3/19 (社)京都市観光協会 http://www.kyokanko.or.jp/