かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

 館蔵屏風絵展  (両国/相撲博物館)

相撲博物館が所蔵する主に江戸時代に描かれた屏風絵と,江戸中期から明治にかけて描かれた浮世絵/錦絵が展示されていました.もちろん,どれもお相撲さんがテーマ.浮世絵/錦絵は両国橋上を行き来する,というか,勢揃いする!?お相撲さんを描いたものが多く,重い重い,よく橋が落ちなかったもの(笑).この図柄は定型になっていたんですね.
展示されていた屏風絵は下記のとおり.

  • 河鍋暁斎野見宿禰当麻蹴速対戦の図》 2曲1双.絹本着色の2面を2曲屏風に貼り込んだもの.「日本書紀」に見られる相撲の草創説話を描く.同図柄の絵馬が湯島天神に奉納されているそうです.
  • 凌雲斎豊麿《江戸大相撲生写之図》 6曲1双.款記に「天明八戊申歳江戸大相撲生写之図」とあり.両隻とも斜めに描かれた橋(両国橋?)の上に,相撲取りらの巨漢と,それにまじって行き交う江戸庶民の姿(お侍もいるけど)を描く.お相撲さんには小さく名前を書いた短冊が貼り付けてありました.彼らは天明8年(1788)頃の上位力士たちだそうです.天秤棒を担いだ魚屋が目立ちました.今回の展示では,これが一番のオススメ.
  • 《京都鴨川糺ノ森図》 6曲1隻.賀茂川と高野川に挟まれた下鴨神社の境内を描く.江戸時代初期?の京都名所図.左方に下鴨神社の社殿を描き,右方に能,人形芝居,相撲などの興行の様子を描いている.相撲はまだ土俵が描かれていない時期のもの.
  • 菱川師宣《相撲之図》 2曲1隻.若衆姿の行司がいかにも風俗画っぽかったです.
  • 《四角土俵相撲の図》 6曲1隻.享保年間(1716〜36)頃の作と推定.左側に相撲の様子(タイトルどおり,四角い土俵!!),右側は町の様子が描かれる.
  • 《寛政力士群像》 6曲1双.紙本銀地着色.右隻は写楽の浮世絵にも出てくる大童山を中心とした褌姿の相撲取りたちが,左隻には着物姿の相撲取りたちが描かれている.解説によると,写楽の下絵(関東大震災で失われる)をもとに模写したものだとか.あまり,写楽風のあくの強さは感じられませんでしたが.
  • 《寛政年間力士着物立ち姿》 2曲1隻.右扇に鷲ケ浜音右衛門,左扇に宮城野錦之助(ともに推定)が黒を背景にうっそりと描かれている.両力士とも寛政年間(1789〜1800)に活躍したそうです.
  • 《力士花見の図》 2曲1隻.花見をする人々の中に付け人をつれたお相撲さんが一人.江戸時代後期の作か?
  • 《力士取組の図》 2曲1隻.紫の布地の上に角力番付が散らしてあり,その上にそれぞれ2面の取組の絵が貼られている.

【メモ】相撲博物館 2006.4/18〜6/16 無料