かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

 京琳派・神坂雪佳展 宗達、光琳から雪佳へ  (日本橋高島屋8Fホール)

明治から昭和にかけて京都で活躍した神坂雪佳(1866〜1942)の業績を紹介する展覧会.内容は「雪佳の源流」「雪佳の絵画」「雪佳の工芸」「琳派の意匠」の4部構成.
冒頭の「雪佳の源流」に,光悦,宗達光琳,乾山,抱一らの作品を置き,琳派の概略を示したのち,各章で雪佳の絵画や工芸を紹介していく,という筋立て.
絵画は主に細見美術館所蔵のものが中心.ちらしにもなっていた《金魚玉図》や《楽屋図》などがおもしろい.また,青蓮院叢花殿の襖絵が4面でており(1918〜1920[大正7〜9].全80面のうち),これが印象的.雪佳はこの青蓮院叢花殿の襖絵を描いた後,宮家や門跡寺院などの室内装飾を多く手がけたそうですが,他にはどこをやったのでしょうか? 気になるところ.
最後の「琳派の意匠」のコーナーでは,まったりもっさりしたおもしろかわいい感じが雪佳と共通する中村芳中の作品が数作出ており,これがうれしい.中でも新出の雪佳愛蔵の芳中《枝豆露草図屏風》(2曲1隻・紙本銀地着色,個人蔵)が「おもしろ変」で,愉しかったです.背の異様に低い銀地屏風で,たらしこみというよりもほとんど迷彩模様!
【メモ】日本橋高島屋・8Fホール 2006.5/24〜6/5 カタログ2000円.