かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

 いまいるところ/いまあるわたし VOCAに映し出された現在 (宇都宮美術館)

1994年に始まった「VOCA展」(The Vision of Contemporary Art)のこれまでの受賞作(VOCA賞・VOCA奨励賞)を一堂に集めた展覧会.受賞作の他,若干の新作(?)も出ていました.
私は抽象も具象も特に好き嫌いはないのですが,この展覧会では,色の美しさ,あるいは色によって平面に深度を切り開いているいくつかの作品に心ときめいたものの,今回はどちらかというと具象的なイメージを伴う作品の方により惹かれたようです.作家で言うと,福田美蘭大岩オスカール幸男,端聡,太郎知恵蔵,やなぎみわ,平町公,押江千衣子,フジイフランソワ,日野之彦ら.
それから,1960年頃を境に,それ以前に生まれたか,あるいはそれ以後に生まれたかで,作家の表現の質感が全く違ってきているようにも感じました(といっても,検証などまったくしていなくて,全くの思いつきですが...).一言で言ってしまえば,以前は「暗く」,以後は「明るい」ということになりますか.もちろん描かれているイメージやヴィジョンはどちらが楽天的で,どちらがより絶望にまみれているなどと単純には分けられないことも事実なのですが.
そうそう,もの静かで,それでいて多くのことを語りかけてくる杉戸洋はとても魅力的でした.(ヴァンジ美術館の個展を見なかったのはやはり失敗だったかな.)
それから,小品はなかったです(笑).さすが,現代美術.
あと,配布のペーパー「出品作家・作品解説」はうれしかったのですが,展示作品のタイトルを掲載してほしかった.
なお,HEARTBEAT DRAWING,SASAKI日野之彦の作品には,この後すぐ水戸で再会!


宇都宮美術館は今回が初訪問.宇都宮駅からバスで30分弱(400円),豊郷台という住宅地の先,うつのみや文化の森の中にありました.バス停「宇都宮美術館」から美術館まで,徒歩で5分ほど.それこそ緑に囲まれて,美術館が建っていました.展示室は3室あり,今回は,そのうち2室で企画展,残る1室でコレクション展(「平成18年度 第2回コレクション展」)を開催.コレクション展は普段は企画展と別料金ですが,2006.7/16〜8/27の期間は無料公開となっていました.シャガールの絵画や杉浦非水の地下鉄開通のポスターなど.コレクションの大きな柱の一つに「デザイン」があるようです.それから,野外彫刻もいくつか.森の広場にバリー・フラナガンのうさぎがいました(それにしても,バリー・フラナガンのうさぎは,日本にどれくらいいるのでしょうか? 福岡にもいたし,仙台にも...)