かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

 Invisible Reflex 見えない反射 大岩オスカール幸男 展  (池田20世紀美術館)

Invisible Reflex 大岩オスカール幸男 展
大岩オスカール幸男(1965〜)の初期作品から最新作までの絵画30点を集めた展覧会です.
大岩オスカール幸男の作品は東京都現代美術館東京国立近代美術館のコレクション展で知り,まとめて作品を見たいと思っていたのですが,この展覧会がその欲求を(80パーセントぐらい−展示を見終わった時点でもっと見たいという欲求がまだまだあったので)満たしてくれました.
何よりも大岩の社会を見詰める視線が考古学者のそれのようでおもしろかった.疑わしい「現実」のかけらを丹念に見て,それを描きなおすことで,彼なりの「本当の世界」を再構成する,といった感じでしょうか.
会場に大岩による解説を記したペーパーが置いてあり,これを手にして見て回ったのですが,これ,題材や手法などについて簡単に触れているだけなのですが,自分なりの理解を形作るのにいいヒントになり,なかなか良かったです.
作品では,電柱にある変電機を猿に見立てた《モンキー》(1999),温室効果をテーマにした《温室》(2001),世界の二面性の描いた大作《戦争と平和》の2作(ともに2001),下町の再開発に取材した《島》(2002),ハリケーンカトリーナによる被害とそのマスコミ報道をモチーフにした《反射》(2005)などが特に印象に残りました.
【メモ】池田20世紀美術館 2006.6/29〜9/26 カタログ500円


コレクション展
意外と言っては失礼ですが,なかなか充実していました.
「1.ルノワールと前期の画家たち」「2.エコール・ド・パリの主要な作家たち」「3.20世紀の頂点に立つ巨匠たち」「4.第2次大戦後の精鋭たち」という4部構成で,19世紀末から20世紀までの主要な画家たちの作品(彫刻も多少あり)を網羅していました(しかも佳品多し).
中で一番印象に残ったのはフランシス・ベーコンでした.これにはかなりガツンときました.
また,田中保(1886〜1941)やホアン・グリス(1887〜1927)といった私にとって未知の画家を知ることができ,うれしいところでした.