かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

新発見!南総里見八犬伝  (千葉県文書館)

千葉県文書館所蔵の曲亭馬琴南総里見八犬伝」関連の資料を中心とした小規模な企画展で,内容的には「南総里見八犬伝」入門といったところ(「新発見!南総里見八犬伝」という展示タイトルはちょっと?).「江戸の出版文化」「八犬伝裏事情」「八犬伝魅惑のストーリー」「現代に伝わる八犬伝」「八犬士総登場」の5つのパートで構成され,馬琴日記や自筆稿本,浮世絵などの他館の資料については,主に写真パネル,複製が出ていました.
「江戸の出版文化」のところで,出版の行程−彫り・刷り・綴じ−に実際に使われる道具類の実物が出ていましたが,このあたりの展示はわりと書誌的な資料が中心になりがちなところなので,ちょっとおもしろかったです.
展示の眼目は「八犬伝魅惑のストーリー」のパートで千葉県文書館所蔵「南総里見八犬伝」原本をずらっと並べたところでしょうか.なにせ106冊ですから,分量的にも圧巻ですし,やはり,犬をモチーフにしたその装幀がたいへん可愛らしくて,目をひかれました.この千葉県文書館本は,千葉の旧家に伝わったもののようで,やや傷みの目立つものでした.それだけ実際に手にとって読まれたということなんでしょうね.
【メモ】千葉県文書館 2006.8/2〜2007.1/20 無料 無料配布のオールカラー図録あり(8P)