かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

本日の梗概

  1. 「大正・昭和の風景版画家 川瀬巴水展」  (高浜やきものの里かわら美術館 2006.9/9〜10/9)
  2. 「GARDENS ガーデン−小さな秘密の庭へ」  (豊田市美術館 2006.9/30〜12/24)
  3. 「藤本由紀夫展 ―ここ、そして、そこ―」  (名古屋市美術館 2006.9/16〜11/5)
  4. 「森北伸 Raw Life  (白土舎 2006.9/9〜10/7)

ムーライトながら利用で,早朝に名古屋に着きました.最初の目的地の高浜港は刈谷で乗り換えなのですが,まっすぐ行っては時間が早すぎるので,いったん名古屋まで行き,ここで荷物をコインロッカーに入れたり,食事をしたりして,時間を調整しました.適当な時間を見計らって,刈谷まで戻り,ここで名鉄三河線に乗り換えて高浜港へ.美術館は高浜港から徒歩で10分弱.駅から美術館までは遊歩道として整備してあり,さすが三州瓦の産地,瓦で作った壁があったり,鬼瓦を模したオブジェが並んでいたりしました.美術館の前にも瓦製の大きな鯱などもあったりして,なかなかおもしろかった.
川瀬巴水展」は,139点の版画作品と水彩画など13点の資料を「I大正期」「II関東大震災〜戦前」「III戦後〜晩年」の3部に分けて展示してありました.巴水はこれまでにもわりとまとめて見る機会があったのですが,いずれも大正期から昭和初期にかけてのものが中心で,今回のように戦前から戦後にかけての作品−後期の作品を多く見られたのはうれしいところでした.シリーズもので言えば東京二十景」東海道風景選集」など.この「川瀬巴水展」は島田市立博物館→ニューオータニ美術館(近場の東京で見ろよな!!)→高浜やきものの里かわら美術館→南アルプス市立春仙美術館と巡回しているところですが,会場ごとで作品数など展示の規模が違うようです.ちなみにカタログでは250以上の作品が掲載されていました.
かわら美術館では,この他に3Fの常設展示を見ました.主に「瓦」の歴史を追った展示で,軒丸瓦の文様など,趣味の月餅研究(!?)に応用できる知見を得られたのが成果でした(笑).
続いて,この日の第二目的地の豊田市名鉄で移動.高浜港から知立に出て,ここで乗り換えて豊田市へ.豊田市美術館はこれまで何度か来ていますが,名鉄の駅から歩くのは初めてでした.もっとも道順にたいした違いがあるわけではないのですが.ちなみに所要時間は10分強.
「GARDENS」は「庭」をテーマにした内外の10人/組の作家によるグループ展.出品の作家はFRONT,ジャック・ヴィエイユ,小粥丈晴,レグラ・デットヴィラー,栗林隆,高木正勝,照屋勇賢,エルネスト・ネト,ロイス&フランツィスカ・ヴァインベルガー,鈴木昭夫.作品としてはインスタレーションが中心でした.展示室以外にも美術館各所に作品が設えられており,これを探すのもなかなかおもしろかったです.また,参加作家の他に豊田市美術館所蔵作品からの出品もありました.小谷元彦《9th Room》(2001)など.
この他に常設展も観覧.中では世紀末ウィーンの絵画やデザイン,家具を集めた展示室4「世紀末ウィーンの華やぎ」(2006.9/26〜12/24)が特に見応えのある展示でした.最後に図書閲覧室で森北伸のスポンジ彫刻(「ベリー ベリー ヒューマン」展の居残り組)を秘かに(!?)見た後,美術館を後にしました.
次の目的地は名古屋市立美術館です.豊田市から大須観音までは名鉄と地下鉄(直通)を使って移動.いつも思うのですが,名鉄って運賃が高いですよね.う〜ん.大須観音で下車したあたりで小雨が降り始めましたが,傘を開くまでもなく美術館にたどり着きました.
「藤本由紀夫 展」は,藤本の大規模な個展で,視覚や聴覚の本質を問い直す(あるいは,改めて気づかせる)仕掛けに満ちたさまざまな作品が展示してありました.オルゴールユニットやレコード,時計を用いた作品など.2Fの展示室では,音が出るように鍵盤を縄で結わえたキーボードが数台天井から吊してあり,その音の中で展示を見る/聴くようになっているのがおもしろかった(《ROOM FOR NCAM》).この他に,常設展「名品コレクション展II」,常設企画展「遺贈記念 杉本憲吉 展」を観覧.
美術館から出る頃には雨はいよいよ本降りに.ちょっと難儀だなと思いつつ,伏見まで歩きます.駅近くの白土舎で「森北伸 Raw Lifeを見て,本日のスケジュールは終了.あとは大阪まで移動するだけです.予定より少し早めだったので,一駅だから大丈夫とちょっと血迷ってしまい,名古屋駅まで歩いてしまいました.が,これはやはり大失敗.へろへろになってしまった.まあ,名古屋からの電車で座れたからいいものを,おっさんなんだから自重しなくては(苦笑).