かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

本日の梗概

  1. 大徳寺本坊・曝凉展
  2. 高桐院・宝物曝凉
  3. 京都国立博物館・平常展(主に絵画)
  4. 琳派展IX 江戸琳派 抱一・其一の粋」[前期]  (細見美術館 2006.9/15〜12/10[前期9/15〜10/29])
  5. 「Trans-Acting 未来の記譜法」  (京都芸術センター 2006.10/6〜10/29)

第4日目は京都です.大阪から京都・大徳寺へ移動.8:30頃には到着したので,本坊の曝凉展が始まるまでしばらく境内を散策.
大徳寺本坊・曝凉展 今年もやはり《観音・猿鶴図》をはじめとする牧谿の諸作に圧倒されました.ガラスなしで,わりと近づいて見られるため,その筆使いや墨の濃淡など,ついつい見とれてしまいました.また,明兆《十六羅漢図》(全12幅.うち,「第十二尊者」は長谷川等伯による補作)が室中の東西に分けてずらっと並んでいるところも壮観で,よかったです.第6室の真教親王筆《大燈国師像》を挟んで蘆雪《龍虎図》が並んでいるところも印象的でした.最後に見た起龍軒の床の間に掛かっている牧谿《芙蓉図》の瑞々しさがいい余韻になりました.
高桐院・宝物曝凉 昨年はうっかり見逃してしまいましたが,今年はばっちり見てきました.見どころは客殿に展示の銭舜挙《牡丹図》(双幅)と李唐《山水図》(双幅)でしょうか.特に李唐はよかったですね.それから,高桐院にも《十六羅漢図》(筆者不明.絹本着色・16幅)がずらっと並んでいました.本坊のものと同じ系統の図柄ですが,やや小振りのものでした.また,書院「意北軒」の障壁画は狩野安信が描いたものですが,こちらはあまりよく見えなかった.残念.
次の目的地は京博だったのですが,移動に予想外に時間を要し,失敗でした.大徳寺前から乗り換えなしで行こうと市バス206系に乗ったのですが,土日の東大路が予想以上の大渋滞で1時間20分くらいかかった.まあ,ある程度の渋滞はわかっていたのですが,これほどとは...トホホ.
というわけで,京博・平常展は絵画の展示のみとなってしまいました.今回もいろいろとおもしろいものが出ていましたが,うれしかったのは,以前から見たかった狩野元信《釈迦堂縁起》(全6巻のうち,巻一.清涼寺)が見られたこと.展示されていたのは巻一.内容は仏伝で,お釈迦さまの誕生(摩耶夫人の脇の下から生まれる)あたりまで.量的にもう少し見たかったかな.また10室の小品コーナーは,若冲蕭白,蘆雪作品とちょっとした奇想派展になっていました.今回は羅漢図を特集した12室がクライマックスでした.清涼寺の《十六羅漢図》をはじめとする中国画の羅漢図がいろいろと並んでいました.さっき見てきたばかりの大徳寺の《五百羅漢図》も別の幅が何幅か出ていました.展示は各作数幅ずつですが,それでも見応えのなる重量級の展示でした.オススメ.(そういえば清涼寺の《十六羅漢図》は東博の特集陳列「中国書画精華」にも出ていたはず.前期・後期,各1点ずつですが.)
次の目的地の細見美術館へは,京阪と地下鉄を乗り継いで行きました.多少歩いたわけですが,それでも30分もかからなかったです.いい天気だったし,疎水沿いの道はとても気持ちよかった.
琳派展IX」の今年のテーマは酒井抱一,鈴木其一ら江戸琳派.展示作品は全点細見コレクションのもので,見たことのあるものがほとんどでした.鈴木其一の《鵞鳥図屏風》《朴に尾長鳥図》など,やはり其一に目が行きます.どこかの美術館/博物館で鈴木其一の大規模な単独展を開催してくれないものかしら.なお,前期・後期で展示替えがあるようです.配布の出品一覧は前期の展示作しか載っていなかったので,どれくらいの作品が入れ替わるのかは不明です.