かけらを集める(仮)。

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 特集陳列「写楽」 (東京国立博物館・本館・10室)

11月といえば,江戸歌舞伎の世界では顔見世月である.そんなこともあって,東博の10室(浮世絵)では役者絵による顔見世として写楽の役者絵が小特集されていた.展示は写楽第1期作品28作の中から20作.なかなかの見応え.
写楽の第1期作品は寛政6年(1794)5月に江戸三座で上演された芝居に取材している.いずれも黒雲母刷の大判役者大首絵で,役者一人を描いた一人大首絵と二人を描いた二人大首絵がある.以下,手元にある諸書を参考に写楽第1期28作を芝居(狂言)別にリストアップしておく.なお,作品名には表記も含め若干の揺れがあるようだが,今回のものはあまり厳密なものではない.あしからず.

写楽作品第1期狂言別作品リスト ●は今回の特集の出品作(20作).

  • 都座 「花菖蒲文禄曽我」(はなあやめぶんろくそが) 11作
    • 《三代目坂田半五郎の藤川水右衛門》
    • 《二代目坂東三津五郎の石井源蔵》
    • 《初代大谷徳次のやつこ袖助》
    • 《三代目市川八百蔵の田辺文蔵》
    • 《二代目嵐龍蔵の金貸石部金吉》
    • 《三代目沢村宗十郎の大岸蔵人》
    • 《三代目佐野川市松祇園町の白人おなよ》
    • 《三代目瀬川菊之丞の文蔵妻おしづ》
    • 《二代目瀬川富三郎の蔵人妻やどり木》
    • 《二代目瀬川富三郎の蔵人妻やどり木と中村万世の腰元若草》
    • 《三代目佐野川市松祇園町の白人おなよと市川富右衛門の蟹坂藤馬》
  • 桐座 「敵討乗合話」(かたきうちのりやいばなし) 7作
    • 《三代目市川高麗蔵の志賀大七
    • 《初代尾上松助の松下造酒之進》
    • 《八代目森田勘弥の駕籠舁鶯の次郎作》
    • 《初代松本米三郎の化粧坂の少将実はしのぶ》
    • 《四代目松本幸四郎の山野の肴屋五郎兵衛》
    • 《初代中山富三郎の造酒之進娘宮城野》
    • 《中島和田右衛門のぼうだら長左衛門と中村此蔵の舟宿かな川屋の権》
  • 河原崎座 「恋女房染分手綱」(こいにょうぼうそめわけたづな) 9作
    • 《初代市川男女蔵の奴一平》
    • 《三代目大谷鬼次の江戸兵衛》
    • 《二代目市川門之助の伊達の与作》
    • 《谷村虎蔵の鷲塚八平次》
    • 《三代目坂東彦三郎の鷺坂左内》
    • 市川蝦蔵の竹村定之進》
    • 《二代目小佐川常世の一平姉おさん》
    • 《四代目岩井半四郎の乳人重の井》
    • 《二代目岩井喜代太郎の左内妻藤浪と初代坂東善次の官太夫女房小笹》
  • 河原崎座 「義経千本桜」(よしつねせんぼんざくら) 1作 ※切狂言として上演.
    • 《二代目沢村淀五郎の川連法眼と初代坂東善次の鬼佐渡坊》