かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

束芋「息花」(ギャラリー小柳)

新作のアニメーション作品を中心に、ドローイング、曽根崎心中のヒロイン、お初と束芋の手紙のやり取りに擬したテキスト作品など。
アニメーションは、都会に独り住いする女性のやりきれない閉塞を描いたもの。人を描かず、たとえばソファーに脱ぎ捨てられたコートや、冷蔵高の近くに置かれた長ねぎの入った買い物袋などによって、女性の疲労感、消耗が描かれる。ソファーやテーブルの一部に、実物のソファーやテーブルが使われていて、3次元空間に飛び出しているところなど、束芋らしいとぼけたユーモアも伺えるが、今作はとてもシリアスな二進も三進も行かない閉塞が感じられた。
まさに、お初の束芋への返書中にあった、大きな「地獄」の文字のように。