かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

天龍寺 大方丈・書院・法堂・庭園など

天龍寺を拝観するのは初めてだ。本坊に至る長い道は何回か歩いたことあるが、その度に、人の多さで、拝観をためらった。障壁画オタの自分にとって、それほど執着するべきものがない、ということもあった。
今回来ることにしたのは、キャノンが実施している綴プロジェクト(文化財未来継承プロジェクト)で、曾我蕭白雲龍図》(オリジナルはボストン美術館所蔵。例のビゲローコレクションの1点)の高精細な複製が公開されていると聞いてのこと。墨色の黒々としたオリジナルは先年のボストン美術館展で見ることができたのだが、せっかくタイミングが合ったこともあり、機会を逃さず覗いてみることとした。
キャノン:綴プロジェクト http://canon.jp/tsuzuri/
境内には、ちょうどシーズンのつつじのはながここそこと咲き誇っている。
天龍寺の拝観システムは以下のとおり。庭園拝観に500円。庭園は方丈南庭の枯山水だけではなく、北側の池泉回遊式の庭園を歩くことができる。大方丈、書院などの建物の中を見学するためには、それに100円プラスする必要がある。上記の《雲龍図》複製は大方丈の仏間裏(北側)に設置されていた。
この他に、特別に法堂が公開されていた。こちらの参拝は別に500円かかる。天龍寺の法堂は、たとえば相国寺建仁寺東福寺大徳寺といった禅寺の法堂に比べると、ずいぶんとこじんまりしたものだ。天上も低いのだが、その天上の二重の円相の中には、加山又造による《雲龍図》が描かれている。これは1997年に天龍寺開山夢窓国師650年遠諱記念事業とした描かれたものだとのこと。円五爪の龍は、いささかプロポーションが奇妙に見え、円相の中で長い胴体が押し込められた末に、どこがどこにつながるのか、よく分からなくなっているように見える。不思議な感じのする龍だ。
相国寺のサイト 雲龍図 http://www.tenryuji.com/unryuzu/
もともと、天龍寺法堂の天上には鈴木松年による《雲龍図》が紙に描かれて、貼り付けてあったようだが、こちらは現在、はがされ別に保存されている。今回は観られなかったが、展示されることもあるとのこと。