かけらを集める(仮)。

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「ドラッカー・コレクション 珠玉の水墨画」、「歴代館長が選ぶ 所蔵名品展 第2部」(千葉市美術館)

開館20周年記念記念展「ドラッカー・コレクション 珠玉の水墨画 「マネジメントの父」が愛した日本の美」(8・7F展示室)
千葉市美術館開館20周年記念「歴代館長が選ぶ 所蔵名品展 第2部」(7F展示室)

開館20周年記念展の一つとして開催の、マネージメントの父と言われる経営学者、ピーター・ドラッカー氏の日本絵画コレクションの全貌を改めて紹介する展覧会。単に絵画コレクションの紹介にとどまらず、ドラッカー氏の生涯や仕事も、著書・年表・遺品を通して併せて紹介。
コレクションは、序章・終章を含め、全8章にわたって分類・紹介。全体的に「しぶい」コレクションだが、室町期のやや古めかしい水墨にやはり興味深いものが多い。その上で、蕭白若冲・蘆雪といった奇想派も含まれていたりもする。個人的には、蘆雪《蓬莱山図》や久隅守景の数点がとてもうれしかった。
蕪村と大雅を別にして、江戸後期の文人画にはあまり興味はわかないのだが、今回出展作中では名古屋の中林竹洞《夏冬山水図》2幅がちょっとおもしろかった。雪に覆われた山並、緑を濃墨で表した山並や、下方の描かれた樹木がそれぞれ直線に並べられている画面構成が珍しく、目を引いた。
全体的に、華やかな、というよりも、どこかさびた、氷結したような世界の絵画が多いのだが、それがまたこのドラッカーという人(冷たい人といういうわけじゃない。むしろ逆だ)を、対照的に描き出しているようにも思えた。
会期終了までにもう1回行きたい。
「所蔵名品展」の第2部は、7F展示室の半分ほどに規模を縮小しての開催。現代美術は、秋の特別展の予告を兼ねてか、杉本博司の海景シリーズ数点が冒頭に出ていた他、第1部に引き続き、一部屋を使った宮島達男の大作が展示されていた。これ、ひょっとして必見かも。また、後半は浮世絵の名品を中心とした展示。こちらも、来年早々に開催予定の「初期浮世絵展」の予告を兼ねた作品が出ていた。