かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

水と土の芸術祭2015・第1日

「水と土の芸術祭2015」は「私たちはどこから来て、どこへ行くのか 新潟の水と土から、過去と現在(いま)を見つめ、未来を考える」というテーマ(基本理念)で、そのプログラムは大きく、①アートプロジェクト(パフォーマンス含む)、②市民プロジェクト、③シンポジウム、④こどもプロジェクト、⑤食・おもてなし、の5つの柱で構成されているのだが、今回は、このうちの、主に①のアートプロジェクトをざっと観覧してきた。
今回の「水と土の芸術祭」は、HPなどを見て、正直なところ、あまり魅力/引力を感じられなかった(というか、内容がいまいち不明瞭だった、と言った方がいいかもしれない)ので、見送るつもりでいたのだが、アートプロジェクトの一つである高橋伸行《旅地蔵 阿賀をゆく》という作品/プロジェクトについて、高橋さん自身による旅の過程でのつぶやきや、椹木野衣さんによるつぶやき(やレビュー http://www.sankeibiz.jp/express/news/150926/exg1509261845005-n1.htm)を見たことが、出かける大きな動機付けとなった。そんなわけで、会期終了直前の3日間、新潟に出かけることにした。
今回の「水土」のアートプロジェクトは、①ベースキャンプ(旧二葉中学校)、②メインフィールド(新潟市内に散在する4つの潟)、③その他で見ことができる。①は海近くの廃校で、ここに作品が多くの設置され、カフェやショップも設けられている。イントロダクションであり、概括であもある会場ということになる。②の会場が今回の最大の見所で、潟に設置された作品を見せる、というよりも、言葉は悪いが、作品を撒き餌に、「潟」という新潟の歴史、それも長いスパンでの歴史と生活、自然、社会の象徴に足を運ばせよう、という趣旨だったように思う。4つの潟それぞれに際だった個性があり、とても楽しめた。そして、③はその他の場所に設置された作品(旧作を含む)ということになる。
観覧は基本的に無料で、ガイドブック(500円)を購入すると、ベースキャンプへのシャトルバスやメインフィールドへのツアーバス(土日休に運行。予約制)にも無料で乗車できる。
前回とは大幅にシステムを変えて、スペクタクル型ではなく、もっときめ細かく、個々の人の心の襞に「新潟」が入り込めるような方法を模索している感じだった。これは、個人的にはいい印象だったが、まだ先がある、という感じも強くした。
さて、作品について。まずはじめに述べておくが、ざっと観覧した限りでは、潟は美しく、とても興味深かったのに対し、作品は全体的にはいまひとつ、低調だった。どこかで観た作品が多く、現代美術の前衛はもちろん、「今」すら、あまり見ることができなかったのは残念だった。(もちろん、個々の作品の中には、とても素晴らしいものもいくつかあった。)

街2.王文志《新潟の夢 Dream of Niigata》(2015)→街1.肖瀟《An Object frome the Mountain》(2015)→ベースキャンプ(旧二葉中学校)