かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

「20世紀琳派 田中一光」(京都dddギャラリー)

監修:永井一正、木田安彦、山下裕二
展示デザイン:佐野研二郎
特別参加: ライゾマティクス

「山」「水」「ぼかし」といったキーワード別に作品を展示し、田中一光が、琳派や古典絵画をどのように受容しているのか、さらには、単なる引用・借用ではなく、どのように古典モチーフを自分のオリジナリティとして血肉化しているかが、手に取るようにわかる展示だった。
中でも、展覧会の中心に据えられた、宗達が修理を担当した平家納経の願文の見返し絵に基づくポスター《JAPAN》や、似たテイストで鳩(京狩野?)をフィーチャーした(背景はうっすらときのこ雲)《HIROSHIMA》は素晴らしいものだった。
また、要所要所に参考図版入りで掲示された監修者の一人、山下裕二の解説も効いていた。
ライゾマティクスの映像インスタレーションは、田中一光のポスターのデータを調査・解析したもの結果、縦に並べた3面のディスプレイに、ヴィジュアライズしたもの。他に、生前の田中に琳派についてインタビューした映像も会場でながされていた。
今回の京都行で観た琳派関係の展覧会では、もっとも充実し、明晰で、深い内容の展覧会だった。