かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

特集陳列「皇室ゆかりの名宝」、特集陳列「刀剣を楽しむ 名物刀を中心に」、他(京都国立博物館・平成知新館)

前回来たときは、行列ができていて、観覧をあきらめた「刀剣を楽しむ」と「皇室ゆかりの名宝」の2つの特集陳列を中心に観覧した。
「刀剣」は、まあ、よくわかんないのだが、それなりに楽しむことができた。行列こそできていなかったものの、女性客が多い。前後に二人組などいると、これがまあ、テクニカルワード頻出のディープな(かつ、的確な?鑑賞眼に基づく)会話が展開されていて、耳ダンボ。はい、勉強になります(笑)
「皇室ゆかりの名宝」は、2F全室を使ったわりと大きめの特集展示で、本来の常設展の展示内容にも沿うように、「天皇と公家の肖像」「門跡寺院の名宝 」「霊雲院の障壁画 元信芸術の粋 」「華麗なる行幸行列 」「中国皇帝にちなんで」という構成。
天皇と公家の肖像」では、似せ絵による個性的な公卿の容貌が楽しい《公家列影図》がダントツにおもしろかった。ところどころに置かれた解説も適切でよし。また、天球院を観てきたこともあり、同じ妙心寺塔頭、霊雲院の方丈を飾っていた狩野元信(と、その周辺)による障壁画(現在、掛軸装)は興味深く、観られた。真行草の精密なかき分けなど、狩野派の技量の基本像がすっきりとわかる(まあ、何度も観ているのですが)。後水尾天皇の二条城行幸を描いた図像をさまざま集めた「華麗なる行幸行列」も、記録的な図像のみならず、華麗なページェントの記憶として半世紀後に描かれた洛中洛外図などなど、なかなか興味深かった。