かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

Asian Meeting Festival 2016 Day 3(スパイラルホール)

出演:クリスナ・ウィディアタマ、大友良英、ソンX、スキップ・スキップ・バンバン、ナタリー・アレクサンドラ・ツェー、dj sniff、ユエン・チーワイ、ヨン・ヤンセン、ピートTR、オッキョン・リー、フィオナ・リー ゲスト:石原雄治[dr]、大城真[さまざまな音具]、七尾旅人[voice]


         石原  大友  フィオナ  バンバン  ヨン
    ピートTR                         dj sniff 
    クリスナ                         チーワイ 
         七尾  オッキョン ナタリー ソンX   大城      


[第1部]
01. オッキョン・リー+ナタリー・アレクサンドラ・ツェー+ヨン・ヤンセン
02. 石原雄治+ソンX+dj sniff
03. ピートTR+フィオナ・リー+大城真
04. クリスナ・ウィディアタマ+大友良英
05. 七尾旅人+スキップスキップバンバン+ユエン・チーワイ
[休憩]
[第2部]
06. 全員

AMFの3日目、スパイラルホールにて。
セッティングは、会場中央に録音マイクを数本立て、それを中心に、楕円形に出演者の機材がセッティングされている。観客はその楕円の外側に座る、または立って(ほとんどの人が座って聴いていた)、演奏を観たり、聴いたりする。
第1部は、トリオ、または、デュオをリレー式に繋いでいく。それぞれの演奏の始まりと終わりが重なり、短い時間だが、その部分だけ、演奏者が6人、または5人になる。照明の明暗が演奏終了/交代のきっかけにしていた(第2部も同)。さすがに3日目、演奏を重ねたこともあり、一部(わざと)はぐらかすような場面もあったが、全般的に明瞭な輪郭をもった強度のある演奏となっていたように思う。
ただ、ここでよかったというのは、オレの耳が聴き慣れたアヴァンギャルド/エクスペリメンタル、あるいはフリーミュージック、即興と言われている音楽の物差しにあててのこと。これはこれで充分素晴らしいことではあるが、このアンサンブルの着地点はそこではないだろう。
まったく未知の演奏、アンサンブルが突如目の前に現れたのが、第2部でのこと。これはたいへんおもしろい、というかとんでもない演奏になった。


うまくまとまらんので、とりあえず、思いついたことを書き出しておくと...
全体がひとまとまりになっているが、一つ、あるいは複数のアンサンブルで、かつ、バラバラな個でもある。
演奏の中心は一つだけではなく(一つのこともあるが)、同時にいくつも並存し、しかも流動的に変わっていく。
演奏は、寄り添う、呼応する、追っかけているかと思うと、そうではなく、別の向きに走っている。
バトルロイヤルではない。
勝負ではない。
ゲームではない。
生物学的な何か。
主役、主人公がいたとしても、すぐにどこかへいってしまう。
「オレさま」はここでは用なしだ。
この音楽のありようを多島海的、群島的な、(とかいったら、だれかの用語だけど、そんな)あり方の音楽。
だから、決して「カオス」ではない。
複数のレイヤーが重なっている音楽でもない。
観客の耳に、自分なりの中心点を見つけさせる音の束。
漠然と聴いているかぎり、それは、ぐちゃぐちゃな音/音響のかたまりに過ぎない(かもしれない)。
大きな円の中でさまざまな音が折り重なっているが、それぞれの観客の耳がその中に潜むいくつもの音楽の核を見つけ、フォーカスし、自分の耳に聞こえる音楽をまとめあげなければならない。


いろいろとヒントがあったのよ。
これはやっぱりもう1回確かめておかねばな。