かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

犬島→高松

  • 「瀬戸内国際芸術祭2016・夏」に行ってきた。大きなお目当ては、犬島で開催の内橋和久のプロジェクト「INUTO IMAGO」に行くこと。台風10号の影響が心配されたが、瀬戸内海は台風の進路から離れていて、直接の影響は特になかった。


5日間で建てられたライブハウス「INUTO IMAGO」。犬島に到着してすぐに撮った。空はまだ雲が多い。

  • (INUTO IMAGOの詳細が決まるずっと前から)高松往復の飛行機と高松の宿を確保していたので、犬島までの行程はかなり面倒くさくなってしまった。ほんとうは30日に犬島に行ければ時間がより有効に使えてよかったのだが、この日は休館日の火曜日なので、犬島行きはこの29日にせざるを得なかった。これもちょっと面倒なことになった理由の一つ。まあ、仕方ない。高松空港からだと、高松空港→高松→直島→犬島、あるいは高松→小豆島→犬島、というルートもあったが、島をゆっくり回りたかったので、犬島での滞在時間がなるべく長くなるようにいちばん早く犬島に到着できる移動ルートを選んだ。その結果が、高松空港→坂出→岡山→西宝伝/宝伝港→犬島というルート。移動距離は長く、乗り換えが多い、コスト的には、高松経由とそれほど変わらず、順調にいけば、13:00過ぎに犬島に上陸できる。(あと、この日は岡山泊にし、翌日、新岡山港からのフェリーで小豆島に渡るようにしたかったところだが、ぎりぎりまで予定が詰められなかったので、高松泊は変更しないことにした。)
  • 5:30最寄り発のバスで成田空港T3。それほど激しくはないが、雨が降っている。T3にはほぼ定時の6:30過ぎに到着。保安検査場を通過して、171ゲートで待機。171は、飛行機までバスだ。搭乗するのは、Jetstar GK411、8:10発。こちらも、ほぼ定時に搭乗が始まり、定時に出発。高松空港には、9:35着陸。ちょっと遅れて、9:40頃、降機。予定していた9:50発の丸亀行きのバスに乗車できた。1000円。高松行きに比べて、乗客は少ない。10:40過ぎに坂出で下車。ここでJR瀬戸大橋線に乗り換え。坂出駅10:55発マリンライナー24号に乗車。1110円。途中、信号待ちなどで数分遅れ、ちょっとひやひやさせられる。11:40頃、岡山駅に到着。ここで、11:52発の西宝伝行きのバスに乗り換え。このバスは芸術祭仕様の期間限定バス。岡山駅を出て、天満屋バスステーションに停車する他は、西宝伝バス停まで直行。750円。ほぼ定時の12:40到着。ここから少し歩いて、宝伝港から犬島行きのあけぼの丸に乗船。バス停から渡船場まで、細い道を歩くが、スタッフの説明があり、道標も出ていたので、迷うことはない。宝伝港13:00発、10分ほどで犬島港に無事到着。


JR坂出駅ホームより

西宝伝バス停

宝伝港

あけぼの丸

犬島港に到着

  • 犬島は今度で4回目。これまではいずれも維新派の公演を観劇するのがメインの目的で、公演向けのチャーター船などで移動していた。最初が新岡山港から、あとの2回はいずれも高松港からで、宝伝港からは今回が初めてだった。
  • 上陸後、時間をかけて、犬島を回ることにする。まずは、山神社に参詣し、島にご挨拶。続いて、今回のお目当てのライブハウス「INUTO IMAGO」の場所を確認し、海水浴場に向かう。前回の維新派公演の会場を、今一度観ておきたかった。弧を描くように沖に伸びる防波堤を観たくなったのだ。もちろん、堤防の上も歩き、先の方まで行くことができた。



山神社に参詣


島のいろいろなところから、山神社が見えた。





海水浴場にて

2013年「MAREBITO」の舞台

  • その後、島の細い路地を歩きつつ、芸術祭の作品を観て回る。123犬島・家プロジェクト「S」邸/荒神明香《コンタクトレンズ》→121犬島・家プロジェクト「A邸」/荒神明香《リフレクトゥ》→126犬島・家プロジェクト・妹島和世《中の谷東屋》→124犬島・家プロジェクト「C邸」/下平千香《エーテル》→122犬島・家プロジェクト「I邸」/オラファー・エリアソン《Self-loop》/小牟田悠介《プレーンミラーリバース》→125犬島・家プロジェクト「石職人の家跡」/淺井裕介《太古の声を聴くように、昨日の声を聴く》→127高橋啓祐《The Fictional Island》[シーサイド犬島ギャラリー]→柳幸典+三分一博志「犬島精錬所美術館」→近代化産業遺産→内橋和久・犬島サウンドプロジェクト「INUTO IMAGO」と、時間をかけて歩き回る。これまでは、維新派の公演に合わせたチャーター船で島までやってきてこともあり、だいたい1、2時間でざっと展示を見て回っていたのだが、今回はたっぷりと時間をかけ、島を回ることができた。
  • 16:30頃、受付を済ませ、ライブハウス付属のバーで、ホルモン焼きそば500円と、ビール500円を買って、腹拵え。
  • サウンドプロジェクト「INUTO IMAGO」は、島に仮設のライブハウスを作って、2週間ほど、ライブを行うとともに、同じくダクソフォンなどのワークショップを長期滞在型で行ったり、島民コーラス隊とともに歌を作るなどの「INUTO IMAGO うたプロジェクト」を行ったりする。
  • 17:00になると、時報の代わりか、島全体に「うたプロジェクト」による「うみものがたり」(維新派「MAREBITO」テーマ曲を再構築)が流れ、これを聴き終わった後、会場へと入場する。
  • レギュラーメンバーは、バンマスの内橋和久[ギター、ダクソフォン、他]、ルーリー・シャバラ[vo]、ヴキール・スワディー[自作弦楽器]、イマン・ジンボット[琴のような楽器のケチャピー(Kecapi), 両面太鼓のクンダン(Kendang), 竹製の笛のスリン(Suling), コブ付の金属製打楽器のボナン(Bonang), vo]の4人に、今晩はゲストに巻上公一[いろいろ]が加わる。演奏は、言ってみれば、様子見なしで、最初からガチで全開といったところか。巻上が加わり、演奏に緩急・変化がより出たのではと思う。個人的には、イマン・ジンボットの演奏に目が向いた。彼の演奏は、アジアン・ミーティング・フェスティバル2015の際にも観ているが、今回は、犬島滞在の思いを歌い上げた(と思われる)ヴォーカルや伝統的というよりもアヴァンな方向に振り切ったケチャピーの演奏など、より集中度が高い、そして、熱い演奏で、彼の演奏の核心に触れることができたように思う。


島を回っているうちに、すっかり晴天になる。








ワークショップ会場の今は誰も住んでいない民家。

演奏が終わって、外に出ると、日が暮れ始めていた。

  • 後方席に、ふらっと来た島のお年寄り連が座っていて、けっこう忌憚ない感想を話していたりする。都会のライブハウスではない、ちょっとおもしろい感じ。
  • バンマスから、ちらりと「遠くから来てくれて、ありがとう!」と言われるなど。いえいえ、こちらこそ、こんな絶妙な場所で、こんな素晴らしいメンバーの音楽を聴かせてくれて、どうもありがとう!
  • 終演後、ついTシャツなどを購入し、夕風に吹かれつつ、犬島港へ。18:45発のあけぼの丸に乗船。宝伝行きの最終で、INUTO IMAGOのお客の他にも、芸術祭のスタッフも多く乗船。バンマスらのお見送りあり。風が強く、波が荒い。10分ほどの航海だが、油断すると船酔いしそう。18:55、宝伝港着。ここで、チャーターバスに乗る人(この日は12人いた)は、スタッフの先導でバス乗り場まで移動し、バスに乗車。バスは中型バスで、メガネ女子が運転手さんだったが、えらく運転がうまかった。19:07出発。岡山駅には19:40を回った頃に到着。予定より1本早い20:12発のマリンライナーに乗ることができた。21:07高松駅到着。駅横のスーパーで、いろいろと買い出して、ホテルに向かう。


さようなら、犬島。また、いつか。

  • ホテルは、春のときと同じ、ビジネスホテルパレス高松。部屋は3Fだった。静かだったし、Wi-Fiの電波も強かったし、で、まあまあか。春のときは不要だったので、気づかなかったが、製氷機はなく、氷はもらえなかったのは、個人的には難。ただし、部屋の冷蔵庫で、まかなうことができた。あと、細かいけれど、枕元に電灯他のスイッチ類がないのは不便。