かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

「鈴木其一 江戸琳派の旗手」[2回目](サントリー美術館)

  • 4回ぐらい行くつもりでいたのだが、全然ダメで、結局、この2回目も会期末間際という体たらく。会期末ということで、会場も多少混雑、といっても、若冲・蕪村展のように入場制限が出るところまでは行っていなかったが(図録買う際のレジ待ちの行列はあった)。
  • オレ的には、其一作品を題材別・モチーフ別に包括的・大規模に紹介した点は大いに評価したいが、その一方で退屈な其一の部分も広がってしまったわけで...まあ、それでも未見・新発見の其一作品や海外から、特にメトロポリタン美術館から来ていた作品が観られたのはうれしかったところ。
  • 根津美の《夏秋渓流図屏風》の緑青で塗られた土坡のフラットさ、当初は金箔と等質な感じだったのだろうが、金箔が部分的に黒ずんでニュアンスが出てきたのに対し、フラットを保った緑の異様な感じ、がおもしろい。と改めて。渓流の青も、金がなければ流動感がでないな、とか。
  • 東京富士美の《風神雷神図襖》の黒雲の湿潤な滲みの面白さ、一方の風神雷神の確固とした輪郭によるむっちりとした存在感とか。これ、同じ絹地にどうやって(どういう順番で)描いているのかな?
  • が、メトロポリタンの《朝顔図屏風》はいまいちぐっと来なかったのはなぜ?
  • 個人とファインバーグコレクションの2件出ていた《松島図小襖》がいかにも19世紀的マニエリズムが横溢。永岳、さらには山雪を連想するなど。
  • 退屈凡庸な作品はとことん退屈凡庸で、奇想、あるいは執拗な異次元を醸す作品はとことん変で奇異という...このあたりが師匠と違うところか。美意識の違い、ということ。
  • 扇面が出ていただけだが、松本交山という絵師がちょっと気になる。対象をクローズアップし、画面がはみ出すほど大きく描いた上に、地の部分をフラットに塗り込める。たとえば、赤とかに。もう少しこの交山の絵を観たいなと(ググっが限りはあまりぱっとしなかったが)。
  • ヘヴィー級の図録2800円(会員2520円)