かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

大友良英ターンテーブル・ソロ、吉増剛造+大友良英(新宿PIT INN)

01.大友良英ターンテーブル・ソロ カートリッジ センターシャフト
02.吉増剛造[朗読, etc]+大友良英perc, tt, eg, etc]
大友良英4デイズ8連続公演「ノイズまみれの天国2」として。

01.大友良英ターンテーブル・ソロ

  • テクニクスターンテーブル、真ん中にDJミキサー、足下には、メタルゾーンとヴォリュームペダル、というセッティング。向かって左側のTTにはシンバルが置かれている。

02.吉増剛造大友良英

  • 開場時にはすでに舞台向かって左手に吉増剛造の準備がなされている。床面にビニールシートが敷かれ、その上に、「怪物クン」3点(吉本隆明のテキストを書写したもので、すでに、赤、黄などの色が付けられている)。水滴。白墨汁。無印良品の洗濯物干しハンガー(民具や貝殻(柳田国男由来の宝貝)など、さまざまなものが吊されている)。『怪物クン』他の詩集。紙の巻物(本日朗読の詩が書かれている)など。同じく、左手舞台前方には2台のビデオカメラがセッティングされている。うち、1台の映像は、舞台後方に投影される。
  • さっぽろコレクティブ・オーケストラ 第4回ワークショップ(12月4日、資生館小学校・体育館)を経ての、吉増剛造大友良英のデュオである。
  • 大友のttソロが終わると、吉増剛造がおもむろに舞台に出てきて、準備を始める。前方のカメラマン/アシスタントと打ち合わせ。お香に火を付け、床に置く。口には、いつもの2本の棒状のサヌカイトを糸で結んだものを咥え、手には、若林奮の小さな金槌、もう片方の手には、物干しハンガーを持ち、あたかも巫女舞で巫女が鈴を振るかのように音を出す。
  • そうしているうちにいつの間にか客電が落ち、おもむろに第2部が始まる。大友は始め、客席後方で、トイピアノのような音をだし、また、ゴングを叩く、舞台にやってくると、大太鼓+シンバル(バシャと潰れた音を出す)で、吉増の行為/朗読に寄り添う。いや、共に「怪物」になる、というか...
  • 吉増、「怪物クン」原稿に白墨汁を垂らす。後には、水滴から水も垂らす。
  • 吉増、マイクを取り上げ、さまざまなものにぶつけ、異音を出す。さらに、紙に火をつけ、マイクをその紙にマイクをぶつけ火を消す。
  • 吉増、折り本状の紙を広げ、詩を朗読。異界の祝詞のような声音。
  • 吉増、床を金槌で叩き、同じく物干しハンガーもたたき付ける。また、大友のTTの置かれた机なども叩く。
  • 大友、TTの前に座り、先の大太鼓+シンバルに加え、TTも演奏。
  • 吉増、巻紙の詩(ブラジル滞在時に書かれたもの)を少しずつ開いて、朗読。こちらは、大きめな声で、しっかりと抑揚をつけた朗読。途中、またもや火を付け、振り払うように消す。大友、高柳ギターを演奏(足下のエフェクターはいつものセット。メタルゾーン→チューブスクリーマー→ケンタウロス→ペダル→ヴォリュームペダル→ディレイ。ただし、あまり踏んでいない)。弓引きやクリップによるプリペアード奏法など。ここがいちばんの山場。途中、吉増、巻紙に火をつけ、その火を叩き消す場面などを挟む。
  • 朗読が終わると、吉増、演奏する大友にほとんどくっつかんばかりに近接し、大友の出す音に耳を傾ける。
  • やがて、公演は終了し、素に戻った吉増が、柔和な表情で語り出す。
  • 恩田晃のキュレートで、吉増剛造大友良英のデュオ(と、鈴木昭男ソロ)が北米5都市をツアーしたのが、2012年の秋のこと。この年の年末のピットインで、初めてこのデュオを観た。さらに、2013年年末ピットイン、2014年10月の山形、2014年年末ピットイン、2016年6月東京国立近代美術館と2人の共演を観ている。
  • このデュオは、いわば吉増剛造の「怪物」を、際立たせるような大友良英の演奏、という形で、始まったように思う。何回か、それが続いたのだが、ある時点で、大友の演奏は、伴奏ではなくなり、自ら「怪物」になることを決意したような演奏に変わる。それは、前回観た近美での共演で、強く感じたことだ。さらに、大友の「怪物」化により、さらに吉増も「怪物」化していくという...今日の共演は、いよいよここに至ったかなと。
  • ※時間軸があやふやです。大友さんのピットイン公演って、セット間の休憩時間がけっこう長くて(今のところ、オレが経験した中では40分が最長!)、待ち疲れちゃうんだけど、後半が吉増さんとのセットだと、吉増さん、休憩に入っても、すぐに始めちゃうんで、これがまた嬉しいんだよね笑