かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

群馬方面へ


  • 群馬県の3つの美術館をはしごしてきた。群馬県立館林美術館、足利市立美術館、太田市美術館図書館の3館だ。このうち、太田市美術館図書館はオープニング記念展である。
  • 今回は、最寄りからJRと東武を組み合わせて行ってきた。JRにしろ、東武にしろ、お得なきっぷ類があったが、シミュレーションした結果、馬鹿正直にその都度、きっぷを買うのが一番安いので(でも、微妙にだけど…)、今回はSUICA利用で行ってきた。
  • 最寄り→7:44南越谷/新越谷7:56→8:56館林8:59→多々良と移動。多々良駅前でポンチャリ(館林市の無料レンタル自転車)を借り出し、一路、群馬県館林市美術館へ。10分弱。歩いても20分ほどだが、この暑さと寝不足なので、自転車は必須。少し早く着いたので、近所を一回り。近くに、約2kmにわたって、さまざまな彫刻家の作品を配した「彫刻の小径」もあり、最近のオレの興味からしたら、ちょっと歩いてみたい気もするが、予定がつまっているのと、この時点で猛暑が酷いことになっていたので、まあ、秋にでもまた、ということにして、美術館に戻る。



今回お世話になったポンチャリ。多々良駅前には3台配備されている。

  • 群馬県立館林美術館 この美術館は2回目。前回来たのは、山口晃展であった。今回は割と地味目な内容(失礼!)の企画展だったが、今回も、なんだかんだ言って、老若男女が途切れずに訪れている。上州名物のカミナリ(と電気や雷にまつわる信仰)をテーマに、歴史資料・民俗資料を含む、絵画や造形、さらには現代美術系のインスタレーションを、「おもしろく」見せる展覧会。わりといろいろなところから、作品が集められていた。この企画展を観覧の後、フランソワ・ポンポンのアトリエを再現した別館、そして、本館に戻り、コレクション展の展示室1の彫刻を観覧。もう少し近代日本の彫刻があったと記憶していたが、ポンポンの動物彫刻の小品を中心とした展示だった。ブロンズ像の作り方が具体的に示されていて、おもしろかった。やっと理解できたかな。なお、館林美術館はポンポンの収集を心がけたわけだが、コレクションの60%がポンポンの禁じた死後鋳造によることが、オルセー美術館の調査でわかり、結局、展示できないでいる、とのことを、今回、ネットで調べて、初めて知った次第。



バリー・フラナガン《鐘の上の兎》(1983)。

群馬県立館林美術館の設計は、第一工房。2000年に竣工して、2001年に開館。


ここでごろりと横になったら気持ちよさげなのだが… 別に芝生は立ち入り禁止というわけではないが、猛暑で…誰もいない…

こちらは別館。フランソワ・ポンポンのアトリエを再現。周囲に、丁寧に木が植えられ、遊歩道が設えられている。

  • 一通り観覧の後、自販で、群馬県限定ということで販売していたトマトジュースを飲んで、一休み。なかなかおいしい。ポンチャリで再び多々良駅に戻り、東武伊勢崎線で、足利市まで。10分ほど。足利市駅から、渡良瀬川を渡って、すぐのところに足利市美術館がある。せいぜい10分ほどだが、もう暑くて、暑くて、ダメ。遭難するかと思った。歩いている人なんで、一人もいない。
  • 足利市立美術館ははじめて。ビルの1〜3Fが美術館で、上層階はマンション?になっている。ちょっと珍しいかも。展示室は2Fと3Fに大小の2室ずつ(大といっても、それほど広くはないが)。今回は、2Fの大と3Fの2室が企画展、2F小ではコレクションの中から関連のありそうな作品が展示してあった。企画展は近代洋画を中心としたリアリズム系絵画のバリエーションを見せる展示で、写実とは何か、リアリズムとは何か、みたいな突き詰めは弱かったかも。最後の現代のところも、必ずしもホキ的ばかりというわけではなく、わりと写実で切り取れるような画風/手法の作家が集められていた。安藤正子とか、入っていたし。今回は、長谷川潾二郎《猫》目当てで、出かけたのだが、この他、後に映画監督になる伊丹万作の絵など、興味深いものもいろいろとあったなと。1時間半ほどの観覧して、離脱。


足利市立美術館の入口付近には3体の銅像が設置されていた。まずは、アリスティード・マイヨール《着衣のポモナ》(1921)。

新井喜惣次《立テル女》(1953)

藤井浩佑《若い男》(1913)

  • 時間は多少余裕があったのだが、他の観光地をまわるだけの体力に余裕がなく笑、ということで、ひいこらと足利市駅に戻り、再び東武伊勢崎線太田駅まで移動。約10分。太田市美術館図書館が駅前なので、ぱっと周囲を一回り見て、一休みも兼ねて、冷房の効いたファミレスに潜り込む。ここで、昼メシを食らい、1時間ほど休憩。その後、いよいよ本日のメインイベント、太田市美術館図書館へ。ちなみに、このあたりの夏祭りの日だったらしく、パレードや御神輿などが出ていて、けっこう賑やかだった。
  • 太田市美術館・図書館 >太田市美術館・図書館 施設概要 5つの箱を中からも、外からも回れるようになっている。回遊空間としての機能。また、美術館空間と図書館空間が綯い交ぜになっていて、とてもおもしろい。まあ、美術館は有料なので、基本的には図書館空間と隔てられてはいるのだけど、それがわりと緩やかになっている。人が集まることで起こるある種のカオスを拒否するのではなく、それを受け入れ、構成要素の一部としている感じも。なによりも、おもしろいだけではなく、とても居心地のいい空間になっていたのに感心。これ、とても大事かと。そこここに椅子やクッションが置かれていて、場所取り合戦になることもなく、リラックスして本を手にとることができる。武○市は、ここ、見学に来たらいいのではないか笑






入口近くのフロア案内。

  • いささかへろへろになったところで、帰路に着く。帰りは、東武とJRを、太田→館林→久喜→新越谷/南越谷→最寄りと乗り継ぐ。途中で、雷が鳴り出したが、雨に降られることもなく、20:30頃、無事帰宅。新越谷/南越谷の乗り換え時に、軽く夕飯を食らうなど。
  • 某駅前にもあったけれど、観るに堪えないダメな銅像はいくらでもある、とか改めて。