かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

井の頭自然文化園・彫刻園

北村西望の彫刻再訪で、じっくりと野外作品を観るつもりだったのだが、暑い上に、ヤブ蚊がすごくて、立ち止まる度に襲撃を受けるという具合。半袖半ズボンという格好も悪かった。なので、落ち着いて、じっくり作品を観るというわけにはいかなかった笑


北村西望《怒濤》(1915年[大正4])。本作は、第9回文展で二等を受賞し、左に並んでいる《晩鐘》(1916年)、《光にうたれた悪魔》(1917年)とともに、西望初期の代表作の一つとされている。これまでも文展で入選はしていたようだが、本作の受賞で、彫刻家として立つことにやっと自信を得たようだ。
ところで、本作、ただ、がたいのいいにいちゃん(というか、おっちゃん)がなにやら後ろでに手を組んで(「休め」の姿勢?)、所在なげに口笛を吹いている、というように見える。しかも、裸体でだ。裸体云々、股間の表現云々は置いておいても、タイトルの《怒濤》という何やらドラマチックな印象からはちょっと感じが違う。ひょっとしたら、生で見たら、《怒濤》というタイトルにふさわしい何がかわかるかと思って、改めて見に出かけてきたわけだが、たいして印象は変わらない。まあ、作者の内面の問題、ということなのかな。さてさて…




怒濤クンの左足と西望のサイン「大正四年夏」西望作」。