かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

鹿児島



桜島二景。上は、朝、甲突川にかかる天保山大橋の袂から。下は、午後、仙巌園から。

  • 7:00頃、起床。身支度しながら、TVで天気予報を確認。薩摩地方の天気は80%の降水確率で雪、山間部では15cm、平野部でも5cm程度の積雪がある、と言っている。ダメじゃん。ネットをチェックしていたら、八代ICと溝辺鹿児島空港ICの間が積雪のため、通行止めとの情報もあった。ますますダメじゃん。鹿児島市内から空港までは、今のところ、大丈夫だけど、雪が降り続いたら、帰りの飛行機が飛んだとしても、空港までたどり着けないかもしれない。と、カーテンを開けて、外を見ると、陽が差している。青空も見えている。う〜ん。昨日の猫の目のように変わる天気を勘案の上、しばらく悩んだ末に、残念だが、二日目の予定はキャンセルして、何かあったときに対応の取りやすい鹿児島市内での観光に予定を変更し、少し早めに空港に向かうことにした。で、結論を言うと、雪は降るには降ったが、降ったり止んだりで、昨日と比べると、風もなく、晴れている時間も長く、午後から夕方にかけては青空が広がる天気になり、心配のしすぎ、という落ちがついた次第苦笑 まあ、知覧訪問は近いうちに再挑戦することにしようか。
  • 天気の話はこれぐらいにして、身支度をして、1Fの朝食会場へ。ありきたりの朝食バイキングだが、黒豚カレーとかがあって、朝からカレーなぞを食らってしまう。それほどおいしいわけでもなく、残念。一度部屋に戻り、一休み。9:00過ぎにチェックアウト。
  • 彫刻放浪:甲突川左岸緑地・右岸緑地 甲突川河畔には、鹿児島市が、昭和58年度から平成4年度に彫刻のあるまちづくり事業として8基の野外彫刻を設置し、「緑と彫刻の道」と呼ばれている(実際は、あまりそう呼ばれてはいないみたいだが…)。下流から緑地を散策しながら、野外彫刻を観て回った(いちばん上流の、少し離れたところにある山本正道作品を見落としてしまったはので、観覧したのはこのうちの7基)。著名彫刻家と地元ゆかりの中堅彫刻家を織り交ぜた感じか。あまりメンテはしていないようで、汚れて痛々しい状態のものもあった。

>参考:かごしまデジタルミュージアム


桑原巨守《春のよろこび》(1993設置)。彫刻のあるまちづくり事業による設置。先日出かけた渋川市美術館・桑原巨守彫刻美術館でも展示してあった作品。


川沿いにあった石造の小堂。どんな神仏が祀られているんだろうか?


舟越保武《渚》(1991設置)。彫刻のあるまちづくり事業による設置。


関屋光生《カルテット》(1991)。彫刻のあるまちづくり事業による設置。奧に見えるのは、《大勲位 松方正義之像》(2008設置)で、財団法人米盛誠心育成会の発注により、田畑功が制作。このあたりから、上流沿岸には、幕末維新期の人物・歴史に関わる銅像・石碑・歴史を紹介する説明板などが多数設置されている。オレの苦手分野である。


増山俊春《はばたき》(1989)。彫刻のあるまちづくり事業による設置。中学生の男女、高校生の男女だろうか、手から今にもはばたこうとする鳩を見つめている。


板橋一歩《陽光を浴びて》(1987)。彫刻のあるまちづくり事業による設置。こちらは、一家でランニングしている図。板橋一歩(1911〜1993・鹿児島県姶良市蒲生町出身)の作品は、2008年に遺族より寄贈され、現在、蒲生ふるさと交流館内の板橋一歩展示室で、その一部が、常設展示されているとのこと。
>カモコレ/板橋一歩展示室


楠元香代子《四季の詩》(1988)。彫刻のあるまちづくり事業による設置。


佐藤忠良《帽子の像》(1988設置)。彫刻のあるまちづくり事業による設置。

  • 高見橋の大久保利通銅像あたり、ちょうど市電が走っている通りに行き当たったので、甲突川沿岸探索は終わりにし、市電で鹿児島市美術館方面に向かうことにする。高見橋電停から朝日通電停まで移動。1日乗車券。朝日通からは歩く。


大久保利通像》(1979/1979設置)。大久保甲東百年記念顕彰会の発注により、中村晋也が制作。


堀内正和《ま四角三つ》(チタン)。鹿児島市は、彫刻のあるまちづくり事業に引き続き、ロマンチックオブジェ事業と称して、市内各地に、大きめの抽象彫刻を設置する事業を続ける。鹿児島中央公園にある、この《ま四角三つ》もその一つ。

  • 鹿児島県立博物館 自然史系ということもあり、前回来た時はパスした鹿児島県立博物館、今回は立ち寄ってみた。無料で観覧できる。展示室は1Fと2F(3Fはリニューアル中)。1Fでは、企画展「口永良部島の自然」が開催中だった。白熊や山猫?の剥製が展示してあったが、露出展示で、間近で観ることができた。これが近づくとけっこう怖かったのよ笑



続いて、安藤照による西郷隆盛像(1937)をちらりと。まあ、通り道なので。しかし、維新の偉人たちはなんでみんな高いところに立っているのかな? もっと低いところにフレンドリーに立っていればいいのに(なんて、思うのはオレだけか?)。その点に限れば、何ヶ所か見かけた「時標(ときしるべ)」のシリーズはポイントが高い笑 それはそうと、安藤照(1892-1945)は、鹿児島県出身の彫刻家で、初代の忠犬ハチ公の像(1934)を作った人だとか。知らなかった。初代のハチ公像は、例によって1944年に供出されて、機関車の部品になったそうだ。現在渋谷駅に立っているのは、二代目で、安藤照の息子で、やはり彫刻家の安藤士(たけし)が制作したもの(1948)。なお、安藤照は、東京大空襲の際に亡くなったそうだ。

  • 鹿児島市立美術館 ここは前回来た時もたちよった。前庭に、3点の野外彫刻があった。オーギュスト・ロダン《ユスタッシュ・ド・サン=ピエール》(1889。《カレーの市民》の一人)、アントワーヌ・ブールデル《サッフォー》(1925)、オシップ・ザッキン《オルフェ》(1959)。企画展はやっていないので、今回も常設展のみ。1日乗車券で団体料金に割引きの240円。館内にも彫刻がいくつか。安藤照の裸婦の小品や、中村晋也の《焦躁の旅路》(1984)など。ところで、館内をうろうろしていたら、受付のおねえさんと目が合って、「ほら、すごい、あれ」とか声をかけられた。えっ?ばかりに振り向くと、「すごい雪」と目を丸くされておっしゃる。雪、やっぱり珍しいんだなと。まあ、すぐに冷静になって「この後もどうぞお気をつけて」と声をかけてくれたのだが。そう、一点にわかにかき曇り笑、このときは雪がけっこうな勢いで降っていたのだよ。が、観覧を終えて、美術館を出る頃には、もう青空が広がっていて…


入口正面に立っているのが、ロダンの彫刻。

美術館に向かって左手、アントワーヌ・ブールデル《サッフォー》(1925)。

  • 美術館のお隣が鹿児島県立図書館で、ここの前庭あたりにも、何かありそうだなと探ってみると、石の彫刻が1点あった。さらに、お隣の黎明館の前庭もチェック。ここは工事中の箇所があり、あまり、立ち入れなかったが、7高関係の銅像やら、石碑やらと、《天璋院》の銅像が立っていた。《天璋院》は、もちろん、中村晋也による制作(2010)。


川村秀彦《風の芽》(2004)。


天璋院》(2010)、制作は中村晋也。

  • 城山公園展望台


  • 仙巌園 よく言えば、桜島を借景にした気宇壮大な庭園、悪く言えば、大味、という感じか。園内にレストランだの、お土産ショップだのが建ち並び、今ひとつ情趣がない。大阪城とか、名古屋城とかと同じ方向性ですな。大河ドラマを見込んでか、園内ではあちこちで普請が行われいて、御殿の内部なども観られずに残念。また、行こう、という気にはなれないな。





  • 帰りの飛行機は、Jetstar GK628便、鹿児島20:15→22:00成田という予定。だが、いつものごとく、使用機材の到着遅れで、出発が多少遅れるとのアナウンス(その後、時間通り出発すると訂正のアナウンスあり。が、結局のところ、到着が遅れて、出発も遅れるという始末。遅れるのは仕方がないが、このドタバタはやめてほしい)。20:48頃、離陸。行きのときは逆に強い追い風で、遅れを取り戻し、21:57頃、着陸。駐機場からはバスで移動、しかも、2台目だったが、22:10頃には到着ロビーに出て、なんとか終バスに間に合った。23:30頃には無事に帰宅。