かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

川越

  • 川越に行ってきた。川越に行くのは、保育園のとき、遠足で芋掘りに行って以来だから、かれこれ… それはともかく、今回のお目当ては、川越市立美術館で開催中の特別展「生誕130年 小村雪岱 「雪岱調」のできるまで」と、伊東豊雄建築のヤオコー川越美術館 三栖右嗣記念館を訪ねることの2つである。もちろん街中に散在する野外彫刻もいくつか観てきた。川越ゆかりの関根伸夫や橋本次郎の作品などなど。まあ、天気もよく、無事に目的を果たすことができ、なかなかよかったと。
  • 行きは最寄りから西船橋飯田橋和光市経由で、東武東上線で川越まで。このルートがオレ的にはいちばん安く行けるルートだった。時間の方も他のルートとさして違わない。一応、乗り継ぎの時間などもチェックして行ったのだが、小竹向原快速急行に乗るなど予定外の乗り継ぎをしたら、ずいぶん早く川越に到着した。川越駅の西口にもいくつか野外彫刻があるようだが、再整備の工事をしていて、確認できなかったのはちょっと残念。
  • 東武バスで、川越駅から札の辻バス停まで移動。観光名所となっている蔵の町の通りを抜けていくので、一応、窓外を見て、それらしき観光とする(しまった、窓から見かけた駐車場前の野外彫刻を観てくるのを忘れた。未確認だが、橋本次郎《歌姫》と思われる)。札の辻のポケットパークに、川越出身の日展系の彫刻家、橋本次郎(1919-1997)の彫刻と、川越高校卒業の現代美術家、彫刻家の関根伸夫(1942-)の彫刻がそれぞれ1基ずつあるので、これを観るところからスタート。東の方向、市役所前へと移動。市役所前にも、橋本次郎の太田道灌像がある。今回まわった限りでは、橋本次郎の作品が目だって多かった。


札の辻の、橋本次郎《日射し》(1986)。川越市出身の日展系彫刻家ということもあってか、今日歩いた中では、橋本次郎作品にいちばん多くであった。《太田道灌公像》以外は、やや小ぶりの女性像で、この《日射し》のように、日常の立ち居を描いたようなほっとするような像が印象に残った。


札の辻の、関根伸夫「札の辻」モニュメント(1987)。正面には、「三芳野名勝図会」から「札の辻」の記事が彫られていた。ロータリー・クラブの寄贈。


川越市役所前の、《太田道灌公像》(1972.9設置)。設置場所は、川越城大手門跡。道灌は鷹狩りの扮装をしている。制作は、橋本次郎。

  • さらに東へ歩き、川越市立美術館へ。美術館で、隣接の博物館や本丸御殿も観られる3館共通券を売っていたので、これを購入。770円。開催中の展覧会を観る前に、周囲に設置されている野外彫刻をチェック。柳宗理(1915-2011)、橋本次郎の2基、金沢健一(1956-)、森亮太(1952-1993)、田中毅(1951)、そして、関根伸夫。館内にもタッチアートコーナーという小型の彫刻の展示コーナーがある。このコーナーは手袋をはめて実際にさわって感触を楽しむことができるというもの。具象、抽象いろいろだが、建畠覚造の小さめの彫刻が出ていた。この人の小さいサイズの彫刻は初めて観た気がする。他に、コレクショ-ン展にも関根伸夫の作品がいくつか出ていた。

川崎市立美術館の野外彫刻

柳宗理道祖神


橋本次郎《友好》


金沢健一《オニムシの夢》


森亮太《STEP》(1976)


橋本次郎《翔》


田中毅《相合傘》。川越市内には、田中毅作品がいくつか設置されているようだが、今回、出会ったのはこの作品のみ。


関根伸夫《起点を成す》(2001.11.27設置)。川越ロータリー・クラブの寄贈。

  • 特別展「生誕130年 小村雪岱 「雪岱調」のできるまで」は、小村雪岱(1887-1940)の、新聞小説の挿し絵(下絵)、装幀を中心に、日本画やさまざまな資料を織り交ぜて、その画業を追う展覧会。会期が終わり近い土曜日ということもあってか、なかなか盛況だった。


  • その後、美術館・博物館の南側にある本丸御殿を見学。本丸御殿の東側にある初雁公園に中川敏之《初雁の像》があった。この像、もともと川越駅西口にあったものが移設されたようだ(検索していたら、駅前設置の像の画像をいくつか見ることができた)。


川越城本丸御殿


中川敏之《初雁の像》(1996.4.27建立)。川越初雁ライオンズクラブ20周年記念事業。

  • さて、次の目的地は、ヤオコー川越美術館だが、途中で格安、かつ、美味しそうな唐揚げ弁当を売っていたので、そろそろ昼時でお腹も空いたし、ということで、つい買ってしまった。ただ近くに公園の類も見当たらず、食べるところがない。結局、ヤオコー川越美術館の敷地のベンチで食べる苦笑。
  • ということで、ヤオコー川越美術館 三栖右嗣記念館へ。入場料300円。建物は、伊東豊雄建築で、2011年12月竣工。外見は、四角いコンクリートの箱で、ちょっと地味目だが、館内は、エントランス・受付・ショップ、第1展示室、第2展示室、カフェ・ラウンジの4つの空間に分かれていて、それぞれの部屋が個性的な空間になっている。中でも採光がそれぞれに特徴があり、おもしろい(地上からはわからないが、屋根の部分がかなり変。グーグルマップで見える)。展示の方は、名前の通り、洋画家の三栖右嗣(1927-2010)のコレクションが展示されている。








  • だいたいこれで予定は終了。駅方向に歩きつつ、野外彫刻を探る。川越高校の、関根伸夫による正門、ひまわり幼稚園、川越市中央図書館と回り、喜多院を参詣して、帰路につく。途中、ちょっと方向を失い、道に迷ったのだが、最後はクレアモールという商店街を抜けて、川越駅まで戻ってきた。クレアモール沿いにあったクレアパーク、川越駅東口緑地でも野外彫刻を見つけた。



川越市慰霊塔。氷川神社前の駐車場の隣に、慰霊塔を見つけた。


関根伸夫による、川越高校正門。敷地内には、同じく関根伸夫による歌碑があるようだが、今回は観られなかった。


川越市立中央図書館前の、橋本次郎《ふれあいの像》(1988.4設置)。ライオンズクラブ国際協会330-C地区第34回年次大会記念事業。


川越市クレアパークの、橋本次郎《萌え》(2002.12設置)。川越遊戯組合の寄付金などをもとに制作・設置。


川越駅東口緑地の、篠原行雄《ANKH》(2013.3設置)。川越小江戸ロータリークラブ40周年記念。


飯田橋セントラルプラザ・ラムラの、北村西望《天女の笛》(1984.12設置)。この像は、北村西望が自身の満百歳を記念して、東京都社会福祉総合センター(飯田橋セントラルプラザの5〜7Fに入っている)に寄贈したものとのこと。