静岡県伊東市のなぎさ公園。公園の中に重岡建治の彫刻が点在、というよりも、ここは重岡建治野外美術館とか、重岡建治彫刻公園とかだな。
- 静岡市美術館で開催中の白隠展「駿河の白隠さん」を観に行くついでに、どうせ18きっぷ利用なのだからと、静岡県内(静岡市より東)の野外彫刻をいくつか回ってきた。伊東市のなぎさ公園とその周辺、熱海市の熱海梅園にある澤田政廣記念美術館、JR富士駅前の《飛躍》と《黎明》、静岡市清水区のさつき通りの野外彫刻などである。寝不足もあって、いささか膝に来たが、天気もよく、展覧会も野外彫刻も無事に観ることができた。まあよかったかと。
- 最寄り始発で、東京5:46→7:44熱海7:56→8:19伊東とJRで移動。熱海駅のホームでつい天ぷらそばをすすってしまう。伊東駅からなぎさ公園までは歩きで、15分弱。途中、伊東市立木下杢太郎記念館があったが、まだオープン前だったので、立ち寄らずにまっすぐなぎさ公園まで行く。なぎさ公園は、松川の河口、相模湾に面した公園。公園とは言っても、園内には、伊東市の大室高原にアトリエを構える彫刻家、重岡建治(1936-)の彫刻作品がところせましと設置されている。さながら重岡建治野外彫刻美術館といった趣き。公園だけではなく、すぐ近く、松川にかかるなぎさ橋の欄干や、松川を渡って対岸にある按針メモリアルパークの彫刻/記念碑なども重岡建治によるものだった。ひとわたり観覧して、伊東駅まで戻る。松川べりなどもう少し散策してきてもよかったのだが…
按針メモリアルパークの彫刻・記念碑。
伊東市なぎさ公園の重岡建治作品
- 《道標》
- 《三位一体》
- 《カモメの詩》
- 《遊》
- 《海へ》(2015)
- 《和》(2000)
- 《祈る》
- 《なぎさ》
- 《海.讃歌》(1999)
- 《家族》(1977)
- 《つながる》(2016)
- 《凛として》(2016)
- タイトル不詳
- 《仲間》(2017)
- 《女「ヒト」》
- 《宙(そら)へ》(2014)
- 《道標》
- タイトル不詳 ※設置の途中?
→追記:
案内板だった。(2018.7.27記)
なぎさ橋の欄干
なぎさ橋西詰南側の重岡建治作品 ※伊東ロータリークラブが創立30周年記念に寄贈。
- 伊東9:31発のJRで来宮(きのみや)駅まで戻る。駅からは徒歩で熱海梅園まで。15分弱。3月1週までは、梅まつりで賑わっていたようだが、すでにほとんどの花は散り、人影もまばらだった。梅園を抜け、熱海市立澤田政廣記念美術館へ。ここは、彫刻家澤田政廣(1894-1988)の個人美術館で、美術館周辺に5基の野外彫刻が設置されている。まず、これらを観覧。続いて、館内へ。入館料は320円。館内は、木彫の大作やブロンズの小品などが展示してあった。
熱海市立澤田政廣記念美術館・正面。
《黄泉のしこめ》(1956)
《蒼穹》(1960)
《傷つける武人》(1960)
《ともしび》(1946)
《海の讃歌》(1963)
熱海梅園内の、《小松勇次先生之像》(1966.1設置)。像の制作は、澤田政廣。小松勇次(1893-1962)は静岡県出身の政治家。衆議院議員を2期務めた後、熱海市長を2期務めた。
- 再び梅園を抜けて、来宮駅まで戻ってきたが、次の列車まで間があるので、待ちが苦手のオレは、市役所前にある澤田政廣作品に立ち寄り、そのまま熱海駅まで歩くことにした。が、ちょっとこれは失敗。思っていた以上に距離があり、いささかふらふらになる苦笑
熱海市役所前の、澤田政廣《木花咲くや姫》(1954)。美術館に木彫の像あり。それをスケールダウンしたブロンズ像(か?)。
- 熱海駅からは13:34発島田行きの東海道線で静岡に向かう。すぐに寝入ってしまったが、目が覚めると富士駅。駅前に股間若衆がいることを思い出し、予定外だが、途中下車する。北口のペデストリアンデッキに股間若衆《飛躍》が、裸婦像《黎明》とともに、立っていた。写真を撮って、次の東海道線で、再び車中の「眠る」人に。
富士駅北口ペデストリアンデッキの、男性像《飛躍》と女性像《黎明》。
- 次に目を覚ましたら、清水駅だった。時計を見ると、まだ時間に余裕があるので、富士駅同様、予定外だが、ここでも途中下車することにした。駅の北側、駅の西側、国道149号線、さつき通りと呼ばれている区間、清水駅前交差点から港橋まで2km弱の道路の中央分離帯に10基ほどの彫刻/記念碑が設置されている。幹線道路の中央分離帯で、歩行者が観覧するのにはいささか難があるのだが、土曜日のためか、交通量も少なめで、なんとか観て回ることができた。途中のロでコーヒー休憩など。三保の松原やフェルケール博物館などにも立ち寄りたかったが、それはまた次の機会に。ということで、バスで駅まで戻り、JRで最終目的地の静岡駅に向かう。
これは清水駅西口の、宮城島隆夫《トトナカの少女》(1991)。西口には、この他にも、サッカーをする少年たちの像もあった。
これもさつき通りで見つけた野外彫刻。中央分離帯ではなく、歩道にあったのだが、作者・タイトルなどは不明。
- 静岡市美術館 白隠禅師250年遠諱記念展「駿河の白隠さん」 図録2300円。半券で三島の佐野美術館展(静岡市美展とは構成が違うとのこと)が2割引きになるそうだ。タイミングがあったら、三島展も行きたい。
- 思いつきの途中下車もあったが、これで予定は一応終了。適当な夕食(カレーを食らった)を適当に食べ、帰路につく。静岡→熱海→東京とJRを乗り継ぐ。電車はそれほど混んでいなかった。今日は、ちょっと無防備に歩きすぎたか、帰りはいささか膝が辛かった。22:00前には無事に帰宅。