かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

彫刻放浪:東急沿線編

  • 以前から世田谷にある本郷新の野外彫刻をまとめて観てこようと思っていたのだが、なかなか果たせないでいた。せっかくのGW、天気もよさそうなので、一つ早起きして、観てこようじゃないか、ということになった。どうせ東急電鉄の一日乗車券を使うのだから、併せて東急沿線の気になっていた野外彫刻を片っ端から観て来ることにした。題して、彫刻放浪:東急沿線編である。
  • 7:00頃、自宅を出発。まず最寄りから、JRと東京メトロを利用して、渋谷に出た。ここで、いったん下車し、東急の券売機で、一日乗車券を買った。東急電鉄の一日乗車券は、東急ワンデーオープンチケットといい、660円である。まずは、東横線で自由が丘へ向かう。ちょうど特急が来たので、これに乗る。あまり寝ていなかったので、一寝入りしてやろうかと思っているうちに自由が丘に到着。今日行くところの中では、自由が丘や二子玉川はオレにとって敵地!?だから、さっさと彫刻を観て、さっさと立ち去る。



澤田政廣《あをそら》(1960)。GWのイベントのためだろうか、像のすぐ近くに舞台が設置され、近くには立ち入れないようになっていた。なので、台座を詳しく探れなくて、少し心残り。像は、3月に行った熱海市立澤田政廣記念美術館前庭の《蒼穹》(熱海では漢字が当てられていた)と同じもの。

  • 当初は自由が丘から横浜に向かうつもりだったが、ちょっと気が変わって、先に蒲田に行くことにした。再び東横線多摩川まで移動し、東急多摩川線に乗り換える。多分東急多摩川線に乗ったのは生まれて初めてかと(そんなことどうでもいいか…)。
  • 蒲田駅前の野外彫刻と大田区役所前の中岡慎太郎作品 西口→東口→大田区役所と移動して、彫刻/モニュメントを観て回る。蒲田駅東口ローターリーには、4基の野外彫刻/モニュメント(と喫煙所)があった。4基のうちの、新島モアイ像は写真を撮り忘れた。


蒲田駅西口の、《あすへ 走れ》(1993.9設置)。作者は不詳。東京蒲田ライオンズクラブが90周年記念に寄贈。頭上の「楽園」が効いている笑


蒲田駅東口の、《躍進工業蒲田》。作者・年代など不詳。股間若衆像の有名作の一つ。


同、《希望》。蒲田理容組合の寄贈。作者は今井眞正(まきまさ)。



同、モニュメント《上昇気流》(1989.7設置)。大田区による。銘板に「上昇気流 無限なる上昇の軌跡 躍動するエネルギーの渦 出合いに満ちた人々の輪 1989.7 大田区」(英語訳は略した)とある。



大田区役所前の、中岡慎太郎《マイ ファミリー》(1998)。ちょっと中岡慎太郎作品がマイブームなのです。


同、中岡慎太郎《ドリーマー》(1998)

  • 次は蒲田から多摩川に戻り、東横線で、今度こそ横浜を目指す。乗り換えるのも面倒だし、座れたこともあり、多摩川から横浜までは各停で行く。電車の中の人もだいぶ多くなってきた。
  • 横浜駅周辺の野外彫刻とジョイナスの森彫刻公園 横浜駅東口・ポルタの入口にある佐藤忠良作品が第一のお目当て。これを観てから、西口に移動。西口周辺にもいくつか野外彫刻があったが、すごい人波。彫刻の台座あたりに腰を下ろして、スマホを見ている人も多く、ちょっと落ち着いて作品を観るという雰囲気ではない。今日のところは、だいたいの雰囲気をつかんでおいて、詳しくは次の機会とする。続いて、ジョイナスの屋上庭園、ジョイナスの森に設置されている彫刻を目指す。最後に横浜シェラトン ホテル&タワーズ前の、エミリオ・グレコを観て、横浜ラウンドは終わり。次の目的地に向かう。



横浜駅東口・ポルタ入口横の、佐藤忠良《少女》(1981)。近くに設置された銘板には「「少女」 この作品は私の孫娘、未菜(10才)をモデルに創作したものです。 横浜の新しい玄関(ポルタ)にふさわしく“すこやかさ”と“爽やかさ”を願ってこの作品のモチーフとしました。 昭和56年6月10日 佐藤忠良」とある。



ジョイナスの森彫刻公園の、マリノ・マリーニ《構成》(1955)


同、柳原義達《道標・鳩》(1973-79)。孔雀鳩は全部で4羽。


朝倉響子《ニケ'83》(1983)


舟越保武茉莉花》(1978)


アントワーヌ・ブールデル《果実》(1911)


ジャコモ・マンズー《踊り子》(1983)



横浜シェラトン ホテル&タワーズ前の、エミリオ・グレコ《水浴の女》(1968)。以前は、ジョイナスの森の一員だったが、1998年9月、現在地に移設されたそうだ。

  • 玉川郄島屋S・C周辺の野外彫刻 各彫刻作品についている銘板を見ると、かつて玉川高島屋S・Cが主催して、「たまがわ野外彫刻とテキスタイル展」という展覧会/イベントが1979年〜1983年の間に5回、開催された。現在、周辺に設置されているのはその居残り組か? 他に、加藤昭男《二羽の鳩》という作品(第1回)があるはずなのだが、うまく見つけられなかった。残念。




本郷新《鳥の碑》。第2回たまがわ野外彫刻とテキスタイル展。もともと《鳥の碑》はセメント彫刻だが、ここのはブロンズ?


大貝滝雄《哀喜行》。第3回たまがわ野外彫刻とテキスタイル展。


菊地伸治《冷たい空から500マイル》。第4回たまがわ野外彫刻とテキスタイル展。


掛井五郎《遠い人》(1979)。第5回たまがわ野外彫刻とテキスタイル展。

  • 二子玉川から田園都市線で一駅、用賀へ移動。ここから用賀プロムナード「いらか道」を歩いて、砧公園へ向かう。20分弱。だいぶへばってきた。公園内は、さすがGW、人が多い。


いらか道を、砧公園近くまで歩いてくると、ウクレレをもつ女性のセメント像があった。像の足下に「Y.Busshi」とサインがあった。佛子泰夫(1916-1992)の作か。

  • 世田谷美術館の野外彫刻 作品はだいたいが芝地に設置されている。芝地は立ち入り禁止なので、近くで観られない作品もいくつかあった。あと、向井良吉の《花と女性》、見落とした(探したんだけど…)。次回を期す。


澄川喜一《そりのある形》(1983)


向井良吉《吾、大地》(1987)


淀井敏夫《海の鳥と少年》(1981)




本郷新《戦没学生記念像「わだつみのこえ」》(1950)


佐藤助雄《桃源》(1983)


柳原義達《しゃがむ女》(1958頃)


バリー・フラナガン《馬とクーガ》(1984


トニー・クラッグ《三葉虫》(1989-1990)


リチャード・ロング《夢石の門》は修理中


アンソニー・カロ《垣間見るアルカディア》(1987)


菊池一雄《ながれ A》(1978)


保田春彦《赤錆の壁がある砦》(1986)


舟越保武《杏》(1984


土谷武《遠くがみえる》(1986)


下田治《開きかけのイメージ》(1986)

  • 用賀まで戻り、再び田園都市線に乗車。今度も一駅、桜新町で下車。砧公園のベンチで、スケジュールをチェックしたら、「佐藤助雄 新町南公園」というメモがあった。覚えていない…う〜む、まあ、行って見るか、ということで、桜新町で下車した次第。駅の地図で公園の場所を確認して、向かう。10分ほどで、無事に到着。なお、桜新町サザエさんちのあるところで、駅前には銅像多数あり。
  • 世田谷区立新町南公園の佐藤助雄《花の咲く頃》



佐藤助雄《花の咲く頃》。先日、小倉へ行ったときに、デパートの前で見つけたのと同じ作品。宝塚市などにもあるようだ。

  • 世田谷区役所前の野外彫刻 世田谷区役所第1庁舎、第2庁舎、世田谷区民会館前川國男の設計。路面を見れば、一目瞭然。




本郷新《母と子》(1978/1978.11.3設置)。札幌や横須賀では《北の母子像》のタイトルで設置されている。世田谷区による設置で、東京世田谷ライオンズクラブが創立15周年記念として協賛している。




淀井敏夫《ローマの公園》(1976/19812.21設置)。世田谷区が設置。本作は、淀井敏夫の代表作の一つで、初出は1976年の二科展。翌1977年にこの作品で、日本芸術院賞を受賞した。国内では、他にも数カ所、野外に設置されている。

  • で、今は16:00過ぎ。まだ暗くなるまで間があるが、どうしたものかと。実は世田谷でいくつか確認したい野外彫刻があったのだが、今日はそのつもりでなく、準備はしていない。設置場所など、もろもろうろおぼえだったので、地図をチェックしたりもしたが、いずれも最寄り駅から少し距離があり、無事に行き着けるか、いまひとつ自信がない。なので、これは止めることにした。ちらりと武蔵小杉とか、たまプラーザとかも頭をよぎるが、今日のところは田園都市線で三茶から渋谷に出て、これで東急ワンデイオープンチケットはお役御免ということにした。余った時間は、渋谷から都バスで六本木に出て、サントリー美術館へ行くことにした。


いまさらですが、東京ミッドタウンの、安田侃《妙夢》(2006/ブロンズ)。地下には、同じく安田侃の《意心気》(2006/白大理石)もあるのだが、ちょうど穴の部分に、小さな子どもが何人も入り込んでいたので、写真はあきらめる笑 安田作品、所有者/展示場所によって取り扱いがずいぶん違う。触ったり、登ったり、くぐったり、自由にさせているところがほとんどだけど、乗るな、触るな、というところもある。まあ、オレはいずれにしても、観るだけだけど。

  • で、さすがにバテたので、適当な夕飯を適当に食らい、帰路についたのであった。天気予報で注意するように呼びかけていた天気の急変もなく、楽しい一日を過ごすことができた。