かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

苫小牧→登別


港公園の野の花

出光カルチャーパークの桜の花。さすがに散りかけではあったが。

JR登別駅のホームから

  • 春の北海道シリーズ第4弾は、苫小牧、アヨロ、函館である。苫小牧は3回目だが、前回本郷新の野外彫刻を観て回った際に、見落としや時間切れで見られなかった作品があったので、改めて訪ねることにした。アヨロは昨年来、気になっていた場所であり、一人でふらっと行って、どこまでわかるかよくわからないこともあったが、とりあえずこの機会を利用して、立ち寄ってみることにした。最後の函館は2回目の訪問だが、今回は野外彫刻を重点的に訪ねるつもり。天気は両日とも曇りがちの寒い日で、今回もダウン持参となった。寒いことは寒かったが、ありがたいことに、雨は降らず、レンタサイクルを乗り回す予定の苫小牧は特に助かった。ずいぶんな数の野外彫刻を観たが、おもしろいものも数多くあり、また、ミス、自爆事故の類もなく、楽しい2日を過ごすことができた。
  • 自宅からバス停までが大雨で出鼻をくじかれた感あり。少々難儀だった。最寄り5:30発のリムジンバスに無事乗車。成田空港T3には定刻の6:35頃到着。早速保安検査場を通過して、162ゲート近くに移動し、ベンチで一寝入り、といういつものパターン。GW明けのためか、保安検査場はがらがらだった。行きの飛行機は、ジェットスターGK105便、成田8:05→9:45新千歳の予定。1時間5分のフライトは順調で、9:40頃には到着ロビーに出た。電車まで、少し時間があるので、昼ちゃんとしたものを食べる時間があるかどうかわからないこともあり、つい天丼などを食ってしまう。10:15発の快速エアポートに乗車。3分で南千歳駅に到着。ここで苫小牧行きの各停に乗り換え。同じホームから10:35の発車(1本後の、新千歳空港10:30発の快速エアポートでも間に合う)。定刻の10:56に苫小牧に到着。
  • 今回は新千歳空港から函館までJRを使って移動することにした。新千歳空港-函館の乗車券が5210円。苫小牧までは普通車で来たが、苫小牧-登別間と、登別-函館間は時間の都合もあり、特急を利用した。前者は20分強の乗車なので、自由席特急券620円、後者は2時間30分ほどかかるので、念のため、指定席特急券2900円を購入した。
  • 苫小牧・彫刻放浪 まず駅の南口にある野外彫刻を1基チェックし、再び駅の自由通路を通って、北口に出て、隣のビルにある観光案内所でレンタサイクルを借りる。1日利用で500円だった。他に、借りる時に1000円の保証金が必要(自転車返却時に返金される)。自転車は変速機もないすっぴんのママチャリだったが、苫小牧の町中は平坦だったので、これで十分だった。


《緑の風》(1979/2011設置)。台座にはタイトルだけで、作者名、制作年、設置経緯などの記載はない。先日、府中で彫刻を探った際に出会った《そよ風》と同じ作品であることは確認できた。世田谷にも《緑の風》の題で設置されているようだが、こちらは未見。苫小牧市のサイトによると(苫小牧市の彫刻 野外彫刻について)、作者は高橋剛、設置年は2011年とあるので、一応、それに従っておく。ただ、足下の作者のサイン(だと思うのだが…)がそうは読めず、ちょっと気にかかっている。このあたりは宿題としておく。高橋剛(1921-1991)は酒田市出身の日展系の彫刻家で、バレリーナを題材にした作品で有名。酒田市美術館に行った際に、たくさんの作品を観ることができた。世田谷には高橋剛の子ども像や母子像がいくつか設置されているようなので、そのうち、観に行こうと思っている。追記:(2018.9.1記)《緑の風》の作者は、木内禮智。写真のサインは「Reichi」と読める。

《緑の風》のサイン

《そよ風》のサイン(2018.4.29撮影)

  • まず、前回、目の前にあるのに見落とした笑、苫小牧駅前の《緑の環》を観てから出発。駅前中央通り→王寺通りを走り、最初の目的地の白鳥王子アイスアリーナ周辺の野外彫刻チェックして、今回、苫小牧でのいちばんのお目当てである南3号公園(苫小牧市港町1丁目)へ向かう。地図上ではずいぶん遠くにあり、ちょっとげんなりしていたのだが、自転車で10分ほどで到着。思ったよりも遠くなかった。



苫小牧駅北口広場の、《人間環境都市像 緑の環》は、苫小牧市が、市開基100年・市制施行25周年の1973年に出した人間環境都市宣言のシンボルモニュメントで、1974年に苫小牧市内の5箇所に設置された。モニュメントの制作は本郷新。苫小牧駅前の《緑の環》は王子製紙株式会社の寄贈。

こちらは、苫小牧市役所前に設置された《緑の環》。他の3基は少し遠くて、自動車でないと無理かも。


白鳥王子アイスアリーナ前の、飯田善國《水の火炎》(1996)。ナスエンジニアリング株式会社の寄贈。町田市芹が谷公園に兄弟がいる。後ろに見える建物が白鳥王子アイスアリーナ。


白鳥王子アイスアリーナ前の、國松明日香《NIKE》(1996)。スポーツ施設に設置されていると、ナイキってよみたくなるよ笑 苫小牧民報社の寄贈。

  • 南3号公園(苫小牧市港町1丁目)の《苫小牧港建設顕彰碑 叡智の誕生》(1979.11建立)。苫小牧港管理組合と苫小牧港建設顕彰碑建立期成会による。制作は本郷新。顕彰碑の表面には不死鳥のレリーフが、裏面には苫小牧港建設にあたっての功労者の猪瀬寧雄氏と鈴木雅次氏の肖像レリーフがある。公園は一面緑の芝風に覆われ、ところどころでたんぽぽの花が黄色く彩っている。カラスやカモメの他、訪れるものもあまりなさそうだが、たくさんのベンチなどが設置されていた。すぐそこがもう海で、風が少し強かった。







  • 港公園のモニュメント 南3号公園を後にし、例によって自転車をふらふら走らせていると、少し大きな公園に行き当たった。中を見ると、少し先の小高くなったところに野外彫刻らしきものが見える。近づいてみると、これは加藤顕清作品ではないかとすぐにぴんときた。



《慰霊 苫小牧港建設の礎》(1965.8.15建立)。苫小牧港建設工事で殉職された方々のための慰霊碑。像の制作は加藤顕清による。

旭川市七条緑地の、加藤顕清《男子坐裸像》(1965)(2017.11.8撮影)。おそらく、慰霊碑が初出だろう。


篠田弘作先生像》(1965.8.15建立)。制作は加藤顕清。篠田弘作(1899-1981)は富山市出身の政治家で、苫小牧港の開港に尽力した。慰霊碑のすぐ近くに設置されていた。慰霊碑と同日の建立。

  • 苫小牧の野外彫刻からいくつか この後は時間のゆるす限り、自転車を乗り回して、ふらふらと野外彫刻などを観て回る。なお、苫小牧市による「散歩道のモニュメント」というマップを参照した。なお、野外以外にも、苫小牧市民会館のロビーなどに加藤顕清や本郷新による肖像彫刻があるようだが、今回は観られなかった。まあ、そのうちに…





出光カルチャーパークの、黒川晃彦《花の調べ》(1993)。前回来た時も掲載したけど。




苫小牧市総合体育館裏の、本田明二《おおぞらの像》(1973設置)。苫小牧市開基百年を記念して、菱中興業株式会社が寄贈。手が長く、最初観た時は、マーヴェルものの超人とかに見えた。



もう1つ本田明二作品を。北海道新聞社苫小牧支社前の、本田明二《母と子》(1987.10.20設置)。北海道新聞社苫小牧支社建設記念に設置。




苫駒市民活動センターの、松本純一《Little Women −小さな婦人たち−》(1994.10設置)。コーディネート:幸正百合子、石彫:長岡莿山。温度計の他は時計になっている。個人的に、今回のお気に入り作品!



駅前本通線の、菅原義則《風と遊ぶ》(1994.12.3設置)。


最後に、苫小牧市民会館の隣、チューリップの花の前の、本郷新《勇払千人同心》(1973)。

  • 苫小牧駅まで戻り、観光案内所に自転車を返却。次の目的地は登別だ。苫小牧から、特急スーパー北斗14号、14:19発に乗車。自由席はがらがらというわけではないが、とりあえず座ることはできた。乗車は一駅だけ。14:43の定刻に登別に到着。ここからアヨロ海岸までは歩く。といっても、20〜30分程度で行ける距離だ。


JR登別駅

駅前では鬼がお出迎え

  • アヨロ海岸


駅前から東に向かう道を歩き、登別マリンパークニクスの裏手でJRの踏切を渡ると、登別漁港に出る。

漁港の前の、登別海岸通りを東に進む。道は上り坂。室蘭街道国道36号線)に出る少し手前で道を右に折れる。写真は上りきったあたりから振り返って見たところ。右側にニクス城(水族館)が見える。

ポンアヨロ川を渡り、つきあたりを右に曲がると、アヨロ海岸の看板が出ている。

看板のある道に進む。ここからは舗装道路ではなくなる。ポンアヨロ川沿いに道は続いている。ボンアヨロ川は、アヨロ川のすぐ西を並流れていることからポン(=小さな)アヨロ川と呼ばれたとのこと。

道のところどころで、まだ桜の花が残っていた。

アヨロ鼻灯台が見えてきた。




アヨロ海岸


灯台へ向かう道があったので、登ってみた。

アヨロ鼻灯台。1976年に初点灯、2016年に廃止され、現在は使われていないとのこと。



  • 東側の丘陵には遊歩道もあるみたいだが、道がよくわからない(近くのホテルの遊歩道らしい)。もう少し歩いてみたいところだが、そろそろ列車の時間も迫ってきたので、ここらで切り上げて、登別の駅に戻ることにする。帰りは少しゆっくりとしたペースで周囲を見回したり、耳を澄ませたりしつつ、のんびり戻る。少し時間があるので、国道36号線まで歩いて、セイコーマートでコーヒー休憩。ぼちぼち駅に戻り、函館に向かうことにする。


  • 登別16:54発の特急スーパー北斗18号に乗車。車内はまあまあ混んでいる。東室蘭で自由席の乗客は大分降りていった模様。スーツ姿のビジネスマンが多い。外を眺めていると、なぎ倒されたような木々が目につく。大沼あたりの車窓の景色が素晴らしいと事前に聞いていたのだが、この列車だと、もう暗くなっていてよく見えないだろう。と、思っていた以上に、暮れるのに時間がかかり、意外にも素晴らしい景色を見ることができた。函館駅には19:24着の予定を5分ほど遅れて、19:30頃到着。前回は、さっさと改札を通り抜けたが、今回は構内を少し観て回りながら、改札を抜けた。


函館駅構内に流政之による幕末から明治にかけての函館の歴史を描いた大きなレリーフ壁画?があった。流政之《きのうの敵は あすの友 箱館解放1968年》(2003)。

夕食は、まあ、塩ラーメンなどを。650円。確か前回の函館旅行の際も入った店。