かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

御調→尾道

  • ということで、せっかく尾道しまなみ海道方面に行くのだからと、一度訪ねてみたかった御調(みつぎ)と生口島に行ってきた。御調は現在では尾道市になっているが、JR尾道駅から20kmほど内陸に入ったところで、山に囲まれた町だ。ここは、彫刻家圓鍔勝三の出身地で、彼の作品を集めた美術館の他、多くの野外彫刻がある。また、生口島は2回目の訪問だが、今回は島に散在する野外彫刻(まとめて「島ごと美術館」と呼ばれている)を、自転車を借りて、観て回ることにした。
  • 事前の天気予報では、両日とも天気があまりよくないようなことを言っていたが、低気圧は夜の間に通り過ぎ、2日間とも上々の天気となった。彫刻放浪の成否は、どうしても天気に左右されるので、これには助かった。おかげで、目的はだいたい果たすことができ、楽しい旅となった。
  • さて、出発。行きは羽田から広島に飛ぶ。最寄り4:58発の始発バスで羽田空港T2まで。ほぼ定時の5:50過ぎに到着。保安検査場を通過して、出発ゲートの66付近で搭乗開始を待つ。今回乗ったのは、ANA671便、羽田T2 7:00→8:25広島の予定。フライトは順調で、予定よりも早く8:15頃、広島空港に到着した。最初の目的地は御調町だが、広島空港からは高速バスを乗り継いで行く。8:50発の福山行きのリムジンバスに乗り、2つめの高坂BSで下車。310円。降りたのはオレ一人。ここで40分ほど待ち、広島発府中・平成大学行きのリードライナー広島交通)に乗り換える。時間を潰すために、高坂PAを覗いたり、行ける範囲で近くをうろうろする。バスの待合室もあまりきれいでなく、居心地があまりよくない。バスの接近案内表示板などもあるが、壊れていて、役に立たない。利用者もあまり多そうではなかった。ほぼオンタイムでリードライナーがやってくる。高坂BS9:49→10:07クロスロードみつぎ予定だが、だいたいこのとおりだった。10:10前に道の駅クロスロードみつぎに到着した。ここからは歩いて、圓鍔記念公園/御調町圓鍔勝三彫刻美術館へ向かう。近くまで行くバスもないことはないが、これが1日2本程度で、全然時間が合わない。比較的バスの便のあるクロスロードみつぎから歩くことにした次第。gmでのすったもんだの調査の末、御調中学校の裏手を抜ける徒歩ルートに決めておいたのだが、幸いにも迷うことなく、山道を20分ほど歩いて、無事に到着した。


高坂BS。天気は上々、むしろ暑いくらいだ。

  • 御調町ソフトボールが盛んらしく、御調ソフトボール球場がある(しかも4つも…)。この球場に隣接して、山の中に、圓鍔記念公園と御調町圓鍔勝三彫刻美術館がある。圓鍔勝三(1905-2003)は広島県御調郡河内村(現在の尾道市御調町)出身の彫刻家。京都の彫刻師・石割秀光の内弟子を経て、日本美術学校を卒業。その後は澤田政廣に師事した。戦後は、日展などを舞台に活動。また多摩美術大学で教員を務めた。1993年、圓鍔家から寄贈された作品・資料を展示・公開する施設として、御調町により圓鍔記念公園と圓鍔記念館(現・御調町圓鍔勝三彫刻美術館)が開園・開館(御調町尾道市編入されたのは、2005年3月のこと)された。また、出身地の広島県には圓鍔勝三の作品が、多く野外彫刻として設置されている。数で言えば、広島市がいちばんだろうが、ここ御調町でも多くの野外彫刻を観ることができた。
  • 圓鍔記念公園の野外彫刻


圓鍔記念公園の入口付近


圓鍔勝三《躍進》(1967)。沖縄県石垣島の開港記念碑として制作された。


圓鍔勝三《夢に乗る》(1955)。鈴木三重吉の夢を表現したものとのこと。広島市中区5-daysこども文化科学館前の《三重吉記念碑》では、熱帯魚に少女が乗っているが、こちらは少年がまたがりラッパを吹いている。


圓鍔勝三《若葉》(1966)。広島市平和記念公園にも、《平和の像「若葉」》の題で設置されている。


圓鍔勝三《紫式部像》(1986)。オリジナルは福井県越前市紫式部公園に設置。


圓鍔勝三《朝の調》(1983)。鹿児島市の文化公園にも同じ像がある。


圓鍔勝三《朝》(1979)。JR広島駅新幹線口にも同じ像が設置されている。平和都市広島を願い、制作。


美術館の棟屋上の《エンジェルの風見鶏》


こちらはソフトボール球場C・Dに向かう吊り橋「ふれあい虹橋」のエンジェル。4基設置されている。


圓鍔元規《希》(1984)。勝三の長男で、彫刻家の圓鍔元規の作品。美術館にも元規作品が数点展示してあった。

  • 圓鍔勝三彫刻美術館
  • 御調町の野外彫刻 クロスロードみつぎから圓鍔記念公園の行き帰りにも、いくつか野外彫刻を見かけたので、併せて観覧してきた。やはり圓鍔勝三作品がほとんどだが、他の彫刻家の作品もいくつか見かけた。御調支所前の《緑のリズム》以外は、現地で「彫刻放浪」中に発見した。


尾道市御調支所前の、圓鍔勝三《緑のリズム》。個人の寄贈。


圓鍔勝三《巣だち》(1955)。設置場所は御調川と国道184号線の交わるあたり、橋の南西の小緑地に設置されている。このあたりから西の方、川沿いに遊歩道、というかウォーキングのための道が設けられていて、この圓鍔勝三作品の他にも、ところどころのポケットパークに圓鍔元規や杭谷一東の作品が設置されているようだ。残念ながら、時間切れで観て回ることはできなかった。


尾道市立みつぎこども図書館すくすく前の、圓鍔勝三《広場に立つ》。バス停のベンチに座って、視線をぐるりに向けたら、これが立っていた。3枚目のアップの写真、像の顔の左、山の上の緑の屋根の建物が、圓鍔勝三彫刻美術館。


みつぎいこい会館前の、丹羽武雄《遙》(1989設置)。'89ふくやま彫刻プロジェクト。ふくやまアートプロジェクトと御調町による設置。圓鍔記念公園に行く途中で見つけた。

  • 12:40、クロスロードみつぎ発の中国バスで、尾道駅前に向かう。13:30前に到着。710円。中国バスSUICA可。途中、新尾道駅前に、杭谷一東《大地の鼓動》(1989)を見つけるが、これは車窓から眺めるにとどめた。JR尾道駅は改修工事をしていた。
  • 尾道観光 海岸通り→千光寺公園向島尾道商店街と、野外彫刻をもとめてぶらぶらと歩く。海岸通りを歩いている途中で、つたふじ本店に行列ができていなかったので、お腹が空いていたこともあって、ふらふらと入ってしまう。中華そば(並)550円を食らう。けっこう美味しかった。
  • 尾道海岸通りの野外彫刻 駅前の港湾緑地あたりから中央桟橋あたりまで、海沿いに遊歩道があり、途中の小公園にいくつか野外彫刻が設置されている。以下、西から順に掲載。


駅前広場(駅前港湾緑地)の、圓鍔勝三《渚の女神》(1954春)。渚の女神なので、遠目に見たときは台座のレリーフは貝かと思ったのだが、孔雀だった。四方に付けられている。



富永直樹《潮》(1993/1994.2除幕)。尾道市の発注。鋳造は(株)竹中製作所、施工・監理は(株)日本美術工藝社。追記(2019.1.29):もとは尾道市公会堂前に設置されていたもので、耐震の問題で公会堂が2016年4月1日に廃止になった際に、現在地に移設されたらしい。以前、ここには雨宮敬子《心》があったようだが、《潮》の移設にともない、《心》も尾道商業会議所記念館横広場に移されたようだ。




淀井敏夫《渚》(1992/1993.2除幕)。尾道市の発注。施工・監理は(株)日本美術工藝社。



千野茂《遥》(1990)


艮神社のクスノキ下から、千光寺ロープウェイ山麓駅を見る。


頂上展望台前の、圓鍔勝三《あけぼの》(1981秋/1989.3.21設置)。尾道ライオンズクラブ30周年、尾道瑠璃ライオンズクラブ25周年、尾道みなとライオンズクラブ15周年、合同周年記念事業として(寄贈・)設置。


頂上展望台から、尾道市美術館、尾道水道方向を望む。


《想(おもう) 頼山陽之像》(1993)。制作は橋本次郎。


《悠 田能村竹田之像》(1992)。制作は矢形勇。

  • 帰りはぼちぼちと歩いて下りる。


尾道渡船に乗って、向島に渡る。所用時間2、3分といったところか。100円。向島にわたる渡船は他にもいくつかあるが、いちばん東側の渡船に乗った。


向島側の桟橋から道なりに5分ほど歩いたところに地ラムネ、地サイダーを売っている後藤飲料水工業所があり、工場の入口で、ばあちゃんがラムネやサイダーなどを売っていた。ラムネを1本買って飲んだ。150円。ラムネやサイダーは「⑤(まるご)」というブランドで、他にも別ブランドで、ミルクセーキやクリームソーダ、コーヒーなどがあった。


ちょっと日が陰ってきたので、あまり観光などもせず、帰りも尾道渡船で戻る。1時間弱の向島滞在だった。

  • 尾道市商店街(アーケード街)の野外彫刻


尾道商業会議所記念館前の、《大黒天》(2012.11設置)。制作は圓鍔勝三。尾道商工会議所創立120周年記念碑で、像は圓鍔勝三の遺族よりの寄贈。



尾道商業会議所記念館横広場の、雨宮敬子《心》(1994)


尾道市商店街の西側入口付近の、《林芙美子像》(1984.7.22設置)。制作は高橋秀幸尾道市商店街連合会による。

  • 尾道16:49→16:57糸崎17:08→17:11三原、240円SUICA。駅前のバス停の位置や三原港ののりばなどを確認し、途中で食料などを買いだして、ホテルにチェックイン。今回宿泊したのは、三原国際ホテルで、7Fのシングルルーム。古いホテルではあったが、Wi-Fiもちゃんとはいったし、特に難はなし。明日の朝が早いこともあり、朝食なしで、4000円だった。風呂に浸かって、早々に寝入る。