かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

鹿児島 鹿児島・湧水町[第1日]

  • 先々週に引き続き、鹿児島へ行ってきた。昨年12月に行く予定だったのだが、体調不良ともろもろの理由で、急遽、延期した。その代替が今回の旅行。なにせ野外に設置された彫刻作品がお目当てなので、天気が悪くては、立てた予定もこなせないと、ぎりぎりまでどこに行くか、決めかねていたのだが、直前の天気予報では、初日は雨降り、2日目は晴れるとのことだったので、初日は鹿児島市の郊外にある中村晋也美術館を訪ね、2日目は霧島アートの森を再訪することにした。
  • 例によって、4:48発の最寄り始発バスで羽田空港に向かう。定時より5分早く、5:45に羽田空港T2に到着。早々に保安検査場Aを通過して、出発ゲートの71ゲートに移動する。搭乗開始まで、一寝入り。(旅行のたびに、同じようなことを書いている気がする笑)今日の飛行機は、ANA619便、羽田T2 7:10→9:05鹿児島の予定。15分前に搭乗が始まり、だいたい予定どおりに離陸したのだが、15分ほど遅れるという。強い向かい風と、鹿児島空港へいつもの北側からではなく南側から着陸するためと、機長からのアナウンス。そのことばのとおり、鹿児島空港には9:20頃、着陸した。成田や羽田と違って、着陸して、すぐに降機し、到着ロビーに出られるので、9:30の鹿児島市内行きのバスに乗ることができた。40分強、10:10過ぎに、鹿児島中央駅(南国交通バスセンター)に到着。着陸した時点では、雨は降っていなかったので、ひょっとして、午前中いっぱいぐらいはもつかと思ったのだが、そうは問屋が卸さず、バスが出発する頃には降り出した。
  • まず最初に中村晋也美術館に向かうことにする。JR鹿児島本線上伊集院まで行き(2駅10分)、そこから1.5kmほど歩くというルートもあるが、雨降りの中、歩くのはやっかいなので、今回はすぐ近くまで行くバスで行くことにした。バスは、南国交通バス・18・石谷行きで、乗り場は東22乗り場(駅前のBTから少し離れた南国センタービル前にある乗り場)から乗車する。バスは10:49発なので、待ち時間、乗り場近くのロのイートインでコーヒーなど飲んで時間を潰した。バスは始発でないので、少し遅れてやってきた。30分ほどで、仁田尾団地バス停に到着。380円。雨は本降りで、少々やっかいだったが、美術館はすぐ近くで助かった。
  • 中村晋也美術館 入館料は一般500円。中村晋也美術館は1997年の開館。2号館(2008年開館)と併せ、5フロアの展示室がある。1000点を超えるコレクションから、ミゼレーレ・シリーズや釈迦10大弟子(この2シリーズにはそれぞれ1室展示室が設けてあった)、薬師寺に奉納された(西塔)釈迦八相像のうちの3相(中でも、「成道」が素晴らしい)に加えて、これまでに制作された肖像彫刻、モニュメントなどが、マケットなども含めてところ狭しと展示してあった。いささか雑然とした感もあったが、本来の設置場所では観ることができない位置からこれらを観ることができたのはよかった。先々週観てきた《大警視 川路利良》など、鹿児島県庁前では高い台座の上の像を見上げるしかなかったのだが、間近で細部を観ることができた。企画展「中村晋也の大久保どん展」が開催中で、大久保利通像や、先の川路利良像などの、数種の試作像の類や制作風景の写真、当時の新聞記事などが、本制作の像とともに、展示されていて、なかなか興味深かった。上野の西郷隆盛像が建立されるまでの紆余曲折は知っていたのだが、この展示で、鹿児島で(西南戦争で政府側についた)大久保や川路の業績が評価され、顕彰されるまでにある程度の時間を要したことなど、初めて知った。

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中村晋也美術館 入り口付近。写真には写っていないが、 手前の道路の反対側にあった建物がアトリエ(かな?)。その前に女性像が4基あったが、雨でうまく写真に撮れなかったので、掲載は略す。

  • 天文館周辺 帰りも同じバス、南国交通バス・18に乗車。雨でなかったなら、途中で下車して、武・田上公民館前の女性像を観に立ち寄ったり、長島美術館の野外彫刻を再訪したりしようかなと考えていたのだが、ざあざあ降りになってきたので、これは止めて、天文館まで行くことにした。40分弱。440円。天文館のアーケード街をひとわたり歩いて、遅い昼食を適当に食らい、まだ時間があるので、鹿児島市立美術館を再訪することにし、コレクション展を観覧した。

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《丹下ウメ博士》(1993.1設置)。鹿児島ロータリークラブが創立40周年事業として建立。制作は楠元香代子、中村晋也が監修した。丹下ウメ(梅子。1873-1955)は日本の栄養学者、化学者で、女性で初めて帝国大学東北帝国大学)に入学・卒業した。アーケード街をぶらぶらしていたら、山形屋本店横で行き当たった。なんでも彼女の生家がこの近くらしい。制作した楠元香代子は、彫刻家、大学教員(崇城大学芸術学部美術学科教授)。中村晋也の弟子筋(鹿児島大学での教え子)で、先ほど観てきた中村晋也美術館では大久保利通像の制作の手伝いをしている学生の一人として写真が出ていた。

  • 鹿児島市立美術館 何度目かになるが、時間があるので、鹿児島市立美術館に立ち寄ることにした。展示は所蔵品展のみで、「早春の所蔵品展」と「旅の記憶 日本の旅、世界の旅」の2展。この他、ロビーや回廊などに、彫刻や工芸などが展示してあった。彫刻の中には、安藤士のハチ公の原型なども。

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オシップ・ザッキン《オルフェ》(1959)。鹿児島市立美術館の野外彫刻その1。


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オーギュスト・ロダン《ユスタンシュ・ド・サン=ピエール》(1889)。鹿児島市立美術館の野外彫刻その2。カレーの市民の一人ね。


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エミール=アントワーヌ・ブールデル《サッフォー》(1925)。鹿児島市立美術館の野外彫刻その3。これは以前にも載せた。ロダンブールデルときて、マイヨールはないのか? って、野外ではないけど、エントランス・ロビーに展示してありました(《とらわれのアクション》[1905])。写真、ないけど。

  • 美術館の展示をひとわたり観て、外に出てみると、雨が止んでいる。16:00過ぎで、まだまだ明るい。それならば、甲突川の緑地にある野外彫刻でも再訪しようかと、しばらく歩いて、ザビエル公園を記念碑などを眺めていたら、突然土砂降りの雨になる。これはたまらんと、屋根のあるところに一時避難して、様子をみる。いつまでも止まないので、少し雨の勢いが弱まったところで、あきらめてホテルに向かうことにする。高見橋東詰の大久保利通像なぞを眺め(これは明朝また)、高見橋のすぐ近くのホテルにチェックインする。折りたたみ傘を差していたとはいえ、ずぶ濡れだったオレを見て、フロント係がタオルを差し出してくれたのが、うれしかった。いったん部屋に入り、濡れた体を拭き、荷物を広げて乾かす。無料のコーヒーなどを飲んで、一息ついた後、雨の様子をうかがい、小降りになった雨の中、夕食と買い物に出た。

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ザビエル公園のフランシスコ・ザビエル像。1949年8月、ザビエルの鹿児島上陸400周年を記念して建立。そういえば、何度か、鹿児島に来ているけど、ザビエル公園は立ち寄ったことがなかったなと、立ち寄ってみた。碑文や近くの説明板を読んでいたら、土砂降りになった。

  • 本日宿泊したのは、ホテルタイセイというビジネスホテル。部屋は5Fで、ツインのシングルユースだった。Wi-Fiが入りづらかった他は、特に難はなし。風呂に浸かり、早々に寝入る、というのはいつものごとし。