かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

 京都国立博物館・平常展

主に9室と11室を見てきました.やはり,狩野山雪《蘭亭曲水図屏風》《磐谷図》はよかったです.あらためてまじまじと見てきました.キャプションの解説によると,磐谷は中国河南省済源県の北にある地名で,唐代に李愿が隠棲したところだそうです(cf.韓愈「送李愿帰盤谷序」).磐谷は泌水が黄河に注ぎいる地で,ということは画面の左側の逆巻く波濤は河だったのですね.う〜む,河なのか.
あと,9/11に書かなかったのですが,9室の伝狩野元信《琴棋書画図》[霊雲院]がちょっとおもしろかったですね.これはもと妙心寺塔頭霊雲院の方丈画(檀那の間の襖絵)として描かれたもので,現在は掛幅に仕立て直されています.展示されていたのは,全8幅のうちの4幅(どうせなら,全部展示してほしいところ).琴棋書画図とはいっても,山水図の点景として,琴棋書画にまつわる光景が描き込まれているという体のもの.人物の衣紋の描き方など,もと大仙院障壁画の禅宗祖師図》東京国立博物館]のそれに通じる印象ですが,面貌などはちょっと元信じゃないな,と感じました(まあ,素人考えですが).キャプションでは元信に近い弟子の作と推定していました.
それから,ミュージアム・ショップに立ち寄ったら,ベスト・オブ・アートの3冊目が並んでいました.3は俵屋宗達下絵,本阿弥光悦書による鶴下絵和歌巻』(鶴図下絵三十六歌仙和歌巻)でした.1200円.ちょっと思うところあって,今回は見送ったのですが,この後,細見美術館で原本を見て,購入しなかったことをしきりに後悔.今回の旅行では,こんなんばっかです.やれやれ.


この後,バスで次の細見美術館に向かったのですが,京都駅方面から来るバスが軒並み満員で,博物館前のバス停を2台ほど素通りしていってしまいました.そういえば,博物館前のバス停もなんだか人が多かったですね.修学旅行の学生とアベック(死語!)ばっか.やむなく東山七条まで歩いて,東福寺の方からくるバス(こちらは空いていました)に乗りました.