大友良英スペシャルビッグバンド(新宿PIT INN)
大友良英[g, tt] 江藤直子[p] 近藤達郎[key, harmonica] 斉藤 寛[fl] 井上梨江[cl] 鈴木広志[sax] 江川良子[sax] 東涼太[sax] 佐藤秀徳[tp] 今込治[tb] 木村仁哉[tuba] 大口俊輔[acc] かわいしのぶ[b] 小林武文[dr] 上原なな江[マリンバ, per] 相川 瞳[per] Sachiko M[sinewaves]
相川 小林 木村 かわい
上原 Sachiko M 大口 斉藤 井上 江藤
近藤 江川 東 鈴木 佐藤 今込
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(客席) 大友※「大友良英 年末4デイズ 6連続公演 」の6公演目として。
1st Set
01.Song of Che
02.〜Reducing Agent ※打楽器隊とギター
03.自殺について
04.芸能界
05.Something Sweet, Something Tender ※終盤ドローンの自由落下
06.OLO
07.ガゼロニ2nd Set
08.海
09.Straight Up And Down ※ハンドサインによるコンダクション
10.三里塚に生きる・エンディングテーマ
11.孤独の歳月[ピアソラ]
12.ラジオのように
13.Eureka
昨晩のライブとはセットリストに少し出入りがあった。
ソング・フォー・チェ〜リデューシング・エージェントで、しょっぱなからガツンとやられた。この2曲は昨夜はやらなかった。演奏自体は昨日同様、解像度の高い明晰な、夾雑物を含まぬ演奏なのだが、何か一回りパワフルな大きさを感じる。曲のせい?そうかもしれないが、そうでないかもしれない。特にリデューシング・エージェントは大友のギターと小林のドラム、相川のパーカッションの三つ巴の絡み合いがすばらしかった。大友・芳垣の演奏が武芸の達人による立ち合いを思わせるとしたら、この三つ巴はなりふりかまわぬ裸拳による殴り合いとも言えるか。特に相川のジョン・ボーナム化(とあえて言わせていただく)に脱帽!
サムシング・スイート・サムシング・テンダー オリジナルよりもスローに、そして、そのニュアンスに富んだ倦怠ががいつの間にか何か別の音響空間に転移している。終盤のドローンは昨日が明晰な音の美しい流れ、としか聞こえなかったものが(もちろんそれでも充分なのだが)、今日は、まるで永遠に自由落下しているかのような聴覚体験となっていた。どこまでもどこまでも墜落していく感じ。素晴らしい。
ユリイカ アコーディオンとピアノの演奏から始まり、徐々に楽器が加わっていく。リズム隊に囲まれた管楽器。珠のようにこぼれてくるピアノの音。解像度の高い楽器の音が少しずつ大きくなり、混沌の渦になっていく。そして、突然の静寂。いや、どこかで響きが続いているように感じられる。いつまでも消えない。