かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

尾道→鞆の浦

今回は、春秋航空の格安セールで往復チケットが取れたので、それを利用して、最近何かと話題になり、気になっていた鞆の津ミュージアムを訪ねてみることにした。また、併せて、尾道と福山にも行ってみることにした。どちらもともに初めて行くところだ。
さて、最寄り5:30発のバスで成田空港に向かう。次発でも間に合うのだが、次発のバスが各停なのを嫌って、このバスにした次第。定時に成田空港T2に到着。いつものごとく、ここから歩いて、T3に移動。春秋航空のカウンターはT3を入ってすぐのところにあるが、まだ早いので受付が始まっていない。成田空港の場合で120分前、広島空港では90分前から受付開始となる。少し待って、チェックインする。8桁の予約番号(ではなく、アルファベットだが)を受付機に入力すると、チケットがプリントアウトされる。行きは5Cの席と前めの席を確保できた(こんなに前方の席は初めてだ。ちなみに、4番はないので、前から4列目)。
さっさと保安検査場を通過し、150(バスで移動しての搭乗するための出発ロビー)へ。バス乗車口はCになる。相変わらずの寝不足だが、コンビニで仕入れたサンドウィッチなぞを食らい、本など読んで時間を潰す。いつもは本を読んでも、あまり進まないので、今回は1冊しか持ってこなかったのだが、ずんずんと進んでしまう。ちなみに、読んでいたのはジョン・ウィリアムズ/東江一紀訳『ストーナー』(作品社)。あと、10数ページで読み終わるというところで、搭乗のアナウンス。
春秋航空の機内スタッフはわりと年配の方が多いので、ちょっと驚かされる。人当たりがよく、LCCとは思えないほど、素晴らしい(まあ、はじめの1回だけなので、たまたまかもしれないが)。隣席も空いていて、わりと空いている便だった。ほぼ定時に離陸し、予定よりもやや早く広島空港に到着。
10:27頃、飛行機を降りたのだが、空港を出たら、そこに白市駅行のバスがいたので、何も考えずにそれに乗る。このバスは10:30発白市駅行の直行バスで、本来10:30到着の飛行機からは時間的にどうあがいても乗車できないはずなのだが、まあ、今回は乗れたわけ。成田や羽田ではありえない、飛行機を降りて空港の出口までが近い小さな飛行場ならでは、と言ったところか。13分ほどで白市駅に到着。390円。交通系ICカード(スイカなど)は使えない。白市駅から11:34発山陽本線糸崎行に乗車。三原駅で、11:34発の相生行に乗り換えて、尾道へ向かう。三原までの景色が気持ちいい。両側を山に囲まれた谷の間を流れる川に沿って、電車はゆっくりと進む。ときに高速道路だろうか、山と山を直接結ぶ高い鉄橋が通っている。梅雨のせいか、川もまんまんと水をたたえ、ゆったりと流れている。三原駅近くから一転急速に土地が開け、大きな都市に変化する。
11:47、尾道の到着。まずは駅の中にある観光案内所で案内図を入手し、コインロッカーに荷物を入れる。小腹が空いたこともあり、いわゆる尾道ラーメンでも食らおうかと思い、駅周辺をうろうろするが、何軒かあったラーメン屋は、なんとなく気に入らず見送ってしまった。特にコースを決めておいたわけではないが、千光寺公園のロープウェイの方へ向かって、アーケードの商店街をぼちぼちと歩き出す。アーケードの入口近くに林芙美子の『放浪記』の像があった。
ここのところ、京都だの、奈良だの、あるいは東京でもいいのだが、観光地を訪れると、必ず団体客を中心としたアジア系の観光客が多くいたのだが、尾道では、全くいなかった。(これは、福山でも、鞆の浦でもそうだった。)
ちょうどアーケードの途切れたあたり、ここらに、ネットで見かけた老舗の中華そば屋があったなと、見回すと、確かにあった。ネットの情報では、いつもは行列ができているとのことで、最初から入るつもりはなかったのだが、見たところ、行列もないようだ。そこで、それほど時間もかからずにさっさと食えるかもと店内に入った。さすがに昼時で席は満席だが、中華そば600円を注文し、札を渡されて、すぐに席に着くことができた。席につくと、客が次々とやってきて、いつの間にか、入口には列ができている。まあ、ちょっと人が途切れたいいタイミングだったんだなと。注文した中華そばは、背脂のたっぷり入った甘さのまさったスープに平打ち麺、具は大きな焼き豚、メンマ少々、それに葱がのっている。まあ、ふつうに美味しかったかな。ふつうに。混雑した店内は落ち着かないので、早々に席を立つ。自販でコーヒーを買って、観光客用のベンチで少し涼む。今日は、じっとりと暑い。

腹ごしらえもしたので、千光寺公園を目指す。お目当ては、公園から展望する尾道水道の景色と尾道市立美術館。ただし、美術館は展示替えの休館中なので、安藤忠雄設計による新館の外観しか見られない。(まあ、ネットを探れば、いくらでも画像がでてくるんだけどね。)
千光寺ロープウェイの山麓駅で、チケットを買う。片道で320円(往復500円)。ロープウェイに乗り込み、出発を待つ。一応15分ごとに出発するようなのだが、ロープウェイが満員になるまで出ない。暑い中、ぎゅーぎゅー詰めにされたのには参った。山頂駅までは、ほんの数分だが、尾道と言えば、よく目にする尾道水道の景色が、ぐんぐんと上がっていくロープウェイの中から、急速にせり上がるように見えてくる。山頂駅で降りた後、展望台に上る。360度の景観。しまなみ海道の遠望。そして、これもよく見かけるイメージ通りの尾道市立美術館が眼下に見える。

展望台から、急坂のところどころ、尾道市立美術館(外観)→千光寺→中村憲吉旧居→志賀直哉旧居と見て歩く。猫がところどころで陽の光を浴びている。千光寺公園の坂を下りきったあたりで、古本屋を見つけたので、覗いてみた。読み物を買い足そうと思ったのだが、あまり食指は動かず。そのまま、海沿いの道を尾道駅方向に歩く。小さな船着き場があり、そこから対岸の向島行のフェリーが出ている。3カ所ぐらいあった。実は、尾道から今日宿泊の鞆の浦へもフェリーが出ているようだが、期間限定の上、土日休のみの運行で、残念ながら今回は乗れなかった。
さて、少し早いが、今日泊まる鞆の浦に向かうとしよう。尾道駅で荷物をピックアップし、駅発15:28の黄色い3両編成の電車で福山まで。だいたい20分ほどだが、駅間の距離があるので、なにか、とても時間がかかったような気がする。福山の駅周辺は再開発が終わって、とてもきれいな(でも、どこにでもあるような)場所になっている。バス乗り場をチェックする。鞆港行も、明日乗る広島空港行も、乗り場はすぐにわかった。バス案内所で、乗車券を買い(鞆の浦まで520円、終点の鞆港だと550円)、16:00発のバスの乗車する。鞆の浦までは、だいたい30〜40分。途中、草戸大橋を渡り、草戸千軒遺跡などはこのあたりかと思いをめぐらす。
しばらく海沿いの気持ちのいい道を走った後、16:40頃、鞆の浦に到着。降りてすぐのところに、ともてつのバスセンター(鞆の浦観光情報センター、土産物屋などを兼ねる)があり、鞆の浦の観光案内図を入手する。すぐそばにスーパーマーケットがあり、ここでちょっとしたおやつと飲み物を買い込む。地図を広げ、明日行く場所をチェックし、土地勘をつかむため、少し歩いて見る。石畳が敷かれ、ところどころに案内図が立っている。

鞆の浦バス停から少し山側に入ったところに、今回の旅のお目当てである鞆の津ミュージアムがあった。もう少し歩いてみようかと思ったところで、疲れがどっと出てきたこともあり、ホテルに向かうこととした。案内図で目星をつけて、あとは適当に細い道をたどってみた。
今日泊まるのは、鞆の浦シーサイドホテルというところ。まあ、観光ホテルだ。海沿いに建てられたホテルで、すこし古い。チェックインして、7階の和室の部屋に荷物を置き、一休みした後、早速、大浴場で風呂につかる。ビジネスパックというプランで予約したのだが、これは2食付きで、たいへん助かった。その夕食の弁当を食らい、窓から、対岸の弁天島仙酔島、あるいは、その仙酔島に向かうフェリーを眺めているうちに、寝不足と疲れからか、すぐに寝入ってしまった。