かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

高松・豊島 瀬戸内国際芸術祭2016春、他

  • 6:30頃起床、身支度をして、7:00過ぎに出かける。途中のうどん屋でまず1杯。北風が強く、寒いこともあり、温かいかけうどん小(210円。うどん一玉)とあなご天(160円)。その後、高松駅バス乗り場近くの175本間純《待つ人/内海さん》を観てから、高松港へ向かう。

  • 今日は、豊島を回る。そのため、豊島・唐櫃行の9:30の旅客船に乗る予定。前回、ぎりぎりに行ったら、きっぷを入手できず、フェリーで小豆島・土庄を経由して豊島に行くことになり、だいぶ時間をロスした。また、昨日、スタッフに尋ねたところ、昨日は日曜日ということもあり、やはり20名近く乗れなかった人が出たとのことだった。今日は平日なので大丈夫と思うが、念のために早くやってきた。きっぷは30分前から販売が始まる。さすがに早過ぎたか、まだ窓口に列はない。待合室に座っていると、豊島・家浦行の臨時便が8:50に出ることを知る。家浦行の方が都合がいいし、時間も有効に使えるので、こちらに乗ることにする。8:20過ぎに窓口が開き、きっぷを購入した。1330円。
  • 船はほぼ満員で、8:50に出港。乗客に中国人の団体客がいたので、もともとはこの団体のための臨時便だったのかもしれない。ちなみに、この団体とは、豊島のところどころで出会うことになる。乗客、それにしても外国人が多い。件の団体の他にも、欧米系も多い。乗船の8割がたは海外からだったのではないか。


この船に乗船。

  • 船は35分ほどで家浦港に到着。展示のオープンが10:00からとあったが、実際に行ってみると、10:00前でも観覧させてくれた。助かる。



22の近くのお社。

  • 甲生行に向かうバスの時間が気にかかり、また、再訪だったこともあり、022トビアス・レーベルガーと023豊島横尾館は、少し駆け足での観覧になってしまった。もう少しゆっくり観ても大丈夫だった。豊島横尾館から大竹伸朗の展示まで歩く。前回は逆方向に歩いたが、ものすごく時間がかかり、暑くてたいへんだった記憶があったのだが、今回、再び歩いてみて、たいした距離でもなかったし、それほど時間もかからなかった。これは、豊島の他のところでも同様で、やはり、夏と春、はじめてと再訪という違いなのか。
  • 大竹作品の展示してある場所は、前回は石上純也《mountain project》が展示されていたところ。もと針工場のあったところで、壁や屋根が撤去され、鉄骨だけにむき出しになっており、その中に、宇和島から運ばれた大きな船型が地面すれすれに逆さに吊されている。船型の中に照明が仕込まれ、点灯されているので、暗くなってから見ると、その灯りが漏れて、おもしろいかもしれない。
  • バス(西廻り線)で、豊島公民館前から甲生集会所前まで。5分強。200円(豊島の島内バスは一乗車200円)。まず甲生では、新作の039を観てから、集落を抜けて浜辺を歩き、小高い丘の上にある妙見さまを参詣し、桜の咲いている旧小学校に038塩田千春作品を観に行く。前回、傷みが激しいので、芸術祭終了後に解体する、とあったのだが、まだ残っていた。確かに、傷みが激しく、窓枠など、組み合わせたところが緩んでいる。校舎の中も立ち入り禁止になっていた。


甲生。浜辺への道。




妙見さまの鳥居。


  • 続いて、036マイク+ダグ・スターン《Big Banbu》へ。前回は、スタッフに導かれて、竹藪を間を縫うように上へ上へと登り、竹で組まれた船の上に乗ることができたのだが、今回は公道から遠目で樹上に浮かぶ竹の船を眺めるだけで、ちょっと寂しい。


遠く樹上に竹の船が見える。大漁旗がはためていた。
※2013年10月7日に撮った写真から

船を目指して、木を登る。

竹の甲板。男木島が見える。

大漁旗が翻っている、

  • バスの時間までまだ余裕があるので、再び浜辺に出て、海の眺めを堪能する。集会所でトイレを借り、集会所前のバス停から唐櫃港を経由して、唐櫃岡の集落の清水前まで移動。200円。ここからは、唐櫃港までゆっくりと歩きつつ、作品を見て回る。昼時なので、運がよければ、どこかで食事でもと思ったが、残念ながら、島キッチンをはじめ、行列ができていたので、これは今回もあきらめた。




唐櫃の清水。弘法大師によって掘られたと言い伝えられている。

  • まずは、荒神社に参拝して、026青木野枝《空の粒子/唐櫃》を観覧。ここで、例の団体が登場。がやがやといかにも楽しそうだ。中国ノワールに出てきそうな二枚目のガイドがなにやら説明しているが、ほとんど誰も聞いていない笑 しばらく傍らに佇み、団体をやりすごす。この団体に限らず、唐櫃岡から豊島美術館あたりまでは、洋の東西を問わず、外国人のお客がたくさんいた。こんなに多いのは初めてではないか?
  • ここからは路地のような道を歩いて、028島キッチンへ。ダメだろうと思ったら、案の定、入口にお客の行列。何度も書くけれども、今回もここでのランチは断念。食事のできそうなところは、軒並み人でいっぱいだった。まあ、こんなこともあるだろうと、お弁当代わりにおにぎりは準備しておいたのだが。続いて、027ピピロッティ・リストを観覧の後、029《ストームハウス》へ。ここは少し列ができていて、中に入るまで、15分ほど待たされる。何度も観ている作品だし、できの悪いアトラクションのようなものなので(失礼!)、パスしようかとも思ったが、ここはこらえて、まあ、ちゃんと観てきました。唐櫃岡では、牛が各所で放牧されていた。


唐櫃岡、細い道の向こうの方にいた猫を見ていたら、こちらにまっすぐ歩いてくるので、写真を撮った。





結局、一瞥もくれずに、オレの横を通り過ぎていった。ふと、回りを見ると、いつの間にか人垣ができていた。って!?


  • 唐櫃岡から、しばらく歩いて、豊島美術館まで。ここは最初に来たときはまだ工事をしている最中だった。前回は時間切れで観覧しなかった。そんなわけで、今回が初めての観覧。入口のブースでスタッフの説明を受け、チケットを購入(パスポート持参で1000円。通常は1540円)。順路にしたがい、敷地を一渡り歩いた後、作品内に入り、観覧する。敷地からの眺めが素晴らしい。海と島々だけではなく、まだ田植え前ではあるが、棚田も観ることができた。この景観がなかなかよかった。作品内に入る前に、再びスタッフから注意事項の説明などを聞かされて、靴を脱いで入館。人数制限があるようだが、あまり待たずに入ることができたのはラッキーだった。出るときには入場待ちで長い列ができていた。


田植え前の棚田が見えた。

  • それにしても作品内で、怒りがふつふつと沸いてきたオレのこころはよほどねじ曲がっているのか笑
  • 豊島美術館から唐櫃港までゆっくりと下っていく。ここで、例の団体とまた出会う。彼らも唐櫃港まで歩くらしい。思い思いにおしゃべりなどしながら歩く列はだいぶ長くばらけている。あんまりゆっくりと歩いているので、今度はこの団体を追い越して行くことにする。たいした時間もかからずに、港に到着。ここは、前回も歩いてところで、真夏の日差しに照りつけられ、ほとんど生きてたどり着けないのではないかと思うほど、長く感じた道のりだったが、天気がよく、涼しい風の吹くこの日和では、ほとんど苦にもならなかった。というのは現金なもの。


  • 港でチケット売り場などを確認し、トイレに寄ってから、034クリスチャン・ボルタンスキー《心臓音のアーカイブ》に向かう。港から少し距離があり、途中に唐櫃漁港や八幡神社などがある。032で、バスケットボールなどをしたりもできる。


《心臓音のアーカイブ》前の砂浜が美しい。

唐櫃浜にて。たいへん微妙な表情。

  • 夏会期以降公開になる新作もいくつかあるようだが、これでひととおり、豊島に設置された作品は観たということにして(もちろん、あの作品は今回も見に行かない!)、唐櫃港から出る15:45発の高速船で高松港に戻ることにする。船は、わりと空いていて、きっぷも無事に購入することができた。1330円。もし乗れなかったら、フェリーでいったん小豆島・土庄を経由して、高松に戻るつもりだったが、これは杞憂だった。(家浦でレンタル自転車を借りた人が多く、そのため、みないったん家浦に戻る必要があったことから、唐櫃から船に乗る人が少なかったのかもしれない。)35分ほど、16:20に高松港に到着。ほんの少しだけ、船中で気を失う。


この船に乗る。

  • これで高松市美術館の展覧会を観に行けば、スケジュール的には100点満点だなと思ったのだが、美術館は月休なので、次善の策として、高松港周辺の作品でも観ておくことにする。まずは、琴電高松築港駅近くに新しく設置された173ジュリアン・オピー《銀行家、看護師、探偵、弁護士》へ。そこで、虫の知らせというか、やはり高松市美術館のことが気にかかり、今一度ガイドブックをチェックしたところ、芸術祭会期中の特別展は月曜日も開館の予定とあった。早とちりで今日は休みだとばかり思っていたのだが、開いているじゃんとばかりに、高松市美術館まで歩く。


弁護士。黒御影石でできている。

  • 高松市美術館 2時間ほど。リニューアル後の初特別展で、コレクションに基づく、日本現代美術史。重要な作家に漏れはなく、日本・現代・美術の概要がよくわかる見応えのある展示。なんと池田亮司作品やさわひらき作品まであった。いい展覧会だったが、観客少ない。
  • アーケード街で適当な食事を適当に食らい、ホテルに戻る。
  • 今日のところは、市美の展覧会はともかくとして、ほとんど石だったのだが、甲生の集落をはじめ、豊島の海も山もとても美しく、みずみずしかったので、よしとしたい。