かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

特別展「平安の秘仏 滋賀・櫟野寺の大観音とみほとけたち」、「博物館に初もうで」、日本美術の流れ、他(東京国立博物館)


正月早々、せっかく「平安の秘仏」展が会期延長で見る機会ができたのだからと、がんばって東博に行ってきた。
で、入場のためにパスポートを購入。前から一応知っていたのだが、現行の制度は、3月末で終了(今日入手のパスポートは現行のまま1年間有効)、4月から制度が変わるとのこと(制度を変えて、体のいい、値上げ)。
あと1月2日に東博に来たのは初めて。こんなに混んでいるとは...と、ちょっとびっくり。
早速、お目当ての「平安の秘仏」展を観覧。滋賀県甲賀の櫟野寺(らくやじ)にある平安仏20躯を本館特別5室にずらっと並べた展覧会で、中でも秘仏の十一面観音座像が圧巻。まあ、行って、よかったかと。
ただ、ここのところ、特別5室1室で別料金とっての展覧会が多くなっているけど、それなら、せめて2Fの特別1室、2室あたりも使って、量的にも幅を持たせた展示にしてほしいという気も...
続いて、「博物館に初もうで」関連を挟みつつ、本館2Fにて、日本美術の流れを観覧。
特別2室に、初見の若冲画あり(リスト)。《松梅群鶏図屏風》[紙本墨画・6曲1双]。晩年期の作品。丁寧に描かれているが、生き物としての鶏の躍動感よりも、形のユニークさをいくぶん優先している印象。
2F・7室の、池大雅《西湖春景・銭塘観潮図屏風》(紙本墨画淡彩・6曲1双)。素晴らしい。さまざまな筆法の集積がみごとに心象を現前している。曲線の柔らかさ、優しさにうっとり。そして、何よりも、構図。左隻の右半分、波を表すうねうねとした、しかし決して画一化していない線の美しさ。
そして、同じく7室と10室に分けて展示の円山応挙の旧・帰雲院画。例の雪の降り積もった山の頂近く、仙人たちとそのすみかを描いたものだが、表現は温和かつ、平明ながら、この世のものならぬ奇怪さが溢れ出ている。幽霊の絵より、こっちの方がずっと気味が悪い、と以前から思っている。