かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

 うたのちから 和歌の時代史 (国立歴史民俗博物館)

国立歴史民俗博物館の所蔵資料を中心に文字通り「和歌の時代」史を通観した展覧会.和歌をめぐるさまざまな動き−文化史のみならず,政治権力との関わりなども含め−が展望できました.歴民博所蔵以外の資料も多数あり.展示品から言えば,書痴のみなさん向けですね.絵画資料もほんの若干出ていました.和歌の神様《柿本人丸像》とか.
個人的には「葦手意匠の成立と発達」と題されたコーナー(展示の最後です)が興味大でした.葦手意匠(和歌や漢詩からとられた文字をデザインしたもの)を用いた工芸品や小袖が展示してありました.東博の平常展などでつねづね見かける類ではあるのですが,和歌の歴史を展示でじっくりとたどってきた上で見るとまたおもしろさもひとしお.
それとお楽しみはなんといっても本阿弥光悦筆,俵屋宗達下絵《鶴下絵和歌巻》京都国立博物館].出ていたのは下絵で言うと,鶴が飛び立っていくところ,歌でいうと坂上是則から小野小町ぐらいまででした.


この展覧会とは別に常設展もほんの少しだけ.歴民博の常設展ではところどころで期間限定で複製ではなく実物が展示してあります.そのいくつかをつまみぐい(とは言っても,広いので探すのがけっこう大変).最近凝っている《南蛮屏風》などを見てきました.
展示してあった《南蛮屏風》は紙本金地着色・6曲1隻.小屏風なのがちょっと珍しい.内容的には,神戸市立博物館(池長孟コレクション)などにある狩野内膳系統の南蛮屏風の右隻とほぼ同内容になっていました.したがって,もとは第2類に属す1双屏風だったと思われます.この《南蛮屏風》の画像は,歴民博のデータベースで見ることができます.


【メモ】国立歴史民俗博物館 会期:2005.10/18〜11/27 会期中に展示替えあり. 関連する展覧会:国文学研究資料館『うたのちから 古今集新古今集の世界』(会期:2005.10/28〜11/18)