かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

 ドイツ写真の現在 かわりゆく「現実」と向かいあうために (東京国立近代美術館)

1990年代以降のドイツ写真の展開を下記の写真家たちの作品によって紹介する展覧会.

写真家リスト
ベルント&ヒラ・ベッヒャー Bernd & Hilla Becher (1931/1934〜)
アンドレアス・グルスキー Andreas Gursky (1955〜)
ミヒャエル・シュミット Michael Schmidt (1945〜)
トーマス・デマンド Thomas Demand (1964〜)
ヴォルフガンク・ティルマンス Walfgang Tillmans (1968〜)
ハンス=クリスティアン・シンク Hans-Christian Schink (1961〜)
リカルダ・ロッガン Ricarda Roggan (1972〜)
ハイディ・シュペッカー Heidi Specker(1962〜)
ベアテ・グーチョウ Beate Gutschow (1970〜)
ロレッタ・ルックス Loretta Lux (1969〜)

印象的だったのは,ベルント&ヒラ・ベッヒャーの《採掘塔》と《砂利工場》という2つの組写真.それぞれドイツ各地(かな)の採掘塔,砂利構造を撮影して,それを組み合わせたものですが,変な生き物の記録写真のようで,気味が悪いような,それでいて,おもしろいような...特に展覧会の最初に展示してあった《砂利工場》はおもしろかったです.
それから,ロレッタ・ルックスによる子供のポートフォリオも無機質で不気味なところが印象に残りました.ギュンター・グラスブリキの太鼓』が一瞬頭の中をよぎっていきました.
この他に

特別公開 横山大観《生々流転》1巻・絹本墨画(1928) ※後半部分
所蔵作品展 近代日本の美術 会期:2005.10/8〜12/18

  • 4F特集コーナー 「岸田劉生
  • 3F版画コーナー 「近代の木版画 創作版画を中心に」
  • 3F写真コーナー 「ドイツの近代写真」 カール・ブロスフェルト,ラースロ・モホリ=ナジ,アルベルト・レンガー=パッチュの作品

アウグスト・ザンダー展」 (2Fギャラリー4) 会期:2005.10/25〜12/18

などを見ました.ザンダーはよかったですね.よそ行きの格好をした農民たちの,太く節くれ立った手が印象的でした.
所蔵作品展では,この他にもドイツ人の美術家,写真家の作品がいくつか出ていました.パウル・クレーはともかくとして,現代美術のコーナーでは,ゲルハルト・リヒター,ゲオルク・バゼリッツ,トーマス・シュトゥルートらの作品を見ることができました.さすが「ドイツ年2005/2006」です.
また,今回見ることのできた「戦争記録画」は次の4作.いずれも東京国立近代美術館では初めての展示だそうです.

  • 白石隆一《[騎兵隊と戦車隊の協同作戦]》 (1944)
  • 中山巍《ペリリュー島守備隊の死闘》 (1945)
  • 藤本東一良《潜水艦の米空母雷撃》 (1942)
  • 松見吉彦《十二月八日の租界進駐》 (1942頃)

【メモ】東京国立近代美術館 http://www.momat.go.jp/