かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

 NIPPONの美 −切手・葉書原画でたどる日本美術  (逓信総合博物館)

著名画家が書き下ろした原画とその原画による切手や絵葉書を中心とした展示です.他に切手趣味週間や国宝シリーズなどの美術品を題材にした切手については「レイアウト下図」が展示されていました.「レイアウト下図」というのは,もとになった美術品の画面上に額面の数字などをレイアウトしたもので,普段見ることのできないものということもあり,なかなかおもしろかったです.
一番個人的につぼだったのは,1946年12月27日に発行された「日本国憲法公布記念 日本絵葉書 第1集」.これは石井柏亭川端龍子藤田嗣治の原画による絵葉書セット(15銭切手が貼付)で,なんでも3枚組を3円で売り出したとのこと.さすがに3円は高すぎてあまり売れなかったらしいです.「第1集」に続いて「第2集」も計画され,実際に川合玉堂上村松園宮本三郎によって原画も描かれていたのですが,売れ行きがあまりにも悪いので中止になったのだとか.展示では「第1集」の原画はもちろんのこと,不発行に終わった「第2集」の絵葉書原画も出ていて,なんだかおもしかったです(おまけに不発行絵葉書原画のうち,上村松園《融》と宮本三郎《編みもの》の絵葉書を毎日先着100名にプレゼント!していたりして...私もいただきました.しかし,二人の絵はこうして絵葉書になって報われましたが,玉堂だけは...うう,かわいそうだっ).
また,切手趣味週間切手のうち,竹下夢二,橋口五葉らの版画の実物が数点出ていました.五葉って,大好きなんですよね.出ていたのは《化粧の女》(1918)と《髪梳ける女》(1920)でした.先日とある展覧会でみた《化粧の女》は指にはめている指輪の金色がちょっとぶれて枠線からはみ出していましたが,こちらはきちんときまっていました.美しい.
【メモ】逓信総合博物館 2006.6/3〜7/17 ※サイト上に無料招待券あり.