かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

 九州国立博物館 『美の国 日本』,文化交流展『海の道、アジアの路』

九州国立博物館へ行ってきました.開館記念の特別展『美の国 日本』と常設展示の文化交流展『海の道、アジアの路』を見てきました.
で,感想なんですが...うーん.空振り.
開館から10日以上経つので,多少落ちついているかと思ったのですが,ダメでした.非常に混雑しているだけでなく(平日でこれだから,土日はどうなるのでしょう),オープニング特有のざわざわとしたおちつかない雰囲気のため,展示されている数々の名作・秀作をじっくりと味わい,楽しむというのはちょっと無理でした.残念.
では,空いていればいいのかというと,それもちょっと...解説パネルやキャプションなども含め,展示自体も意外に凡庸で,喧伝されているような画期的な何かを感じさせてくれませんでした.文化交流展では,たしかにずらっと並んだ火炎土器など,実物展示の強みである複製品にはないもの自体の魅力やおもしろさは多分にありましたが,このもの自体の魅力・おもしろさを十全に引き出して紹介できていたかといういうと,どんなもんでしょうか.これまた残念.
私個人のものですが,第一印象はあまりよくなかったです.



それはさておき,
全国1千万(ほんとう?)の蕭白ファンのみなさん,お待たせしました.
曾我蕭白《群童遊戯図屏風》(展示タイトルは《遊ぶ子供たち、涼む女たち》.って!?  ここに画像あり)が,文化交流展「11多彩な江戸文化」に展示してありました.
早速,プライス・コレクションの横山華溪模本にはなかったシーン,右隻第1・2扇の闘鶏をする子どもたちやその後ろに墨のみで描かれている2頭の牛などを,間近で確認.牛のうちの1頭はこちらの方を,例のつぶらなちょっと困ったような目で見ていました.また右隻第3扇にいる相撲に歓声をあげている子どもも横山華溪模本では省かれているのですが,これがよくよく見ると,蕭白《群仙図屏風》[文化庁]の右隻第3扇の右手を挙げている仙人(李鉄拐?)の横顔にそっくり.ひょっとしてこの仙人の子ども時代だったりして.(両本はだいたい同時期の作と推定されています.)落款も右隻が「曾我義鳳暉雄蕭白居士筆」,左隻が「蛇足庵主蕭白道人」曾我義鳳暉雄筆」と例のごとく大仰.印記(手書きで模した?)や花押もヘンテコでした.
で,この蕭白のお隣さんが,岩佐又兵衛伊勢物語 梓弓図》[文化庁](展示タイトルは《在原業平》.ここに画像あり).う〜む.なかなか凄い取り合わせ.
このコーナーには,他に池大雅陸奥奇勝図》[九博](展示タイトル《松島の風景》)などが展示してありました.