かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

 名取洋之助と日本工房[1931-45] 報道写真とグラフィック・デザインの青春時代  (川崎市市民ミュージアム)

日本の報道写真,グラフィック・デザインの草創期を駆け抜けた名取洋之助率いる日本工房の仕事−名取洋之助木村伊兵衛土門拳らの報道写真,山名文夫,熊田五郎(後に千佳慕),河野鷹思亀倉雄策らのグラフィック・デザインなど−を詳しく紹介する展覧会です.「第1章 1931-34.3 報道写真の夜明け」「第2章 1934.4-37.8 『NIPPON』の創刊」「第3章 1937.9-41.11 国策と対外宣伝」「第4章 1941.12-45.8 拡散と消耗」の4章立てで,日本工房が刊行した「NIPPON」をはじめとする各雑誌,誌面に採用された写真のオリジナル・プリント,デザイン資料などのさまざまな資料が展示してありました.
国家とグラフィズムの問題など,興味深い論点も多数あり,量的にも,質的にも力作の展覧会でおもしろかったです.中では土門拳の写真《伊豆の週末》(1936)や藤本四八の写真,折り本『日本』(1938.構成:熊田五郎),写真壁画《楽シイ日本》(1939.構成:名取洋之助亀倉雄策[亀倉が中心になって制作されたようです].なお,本作は評判が悪かったらしい)の縮小リメイクなどが強く印象に残りました.
それにしても会場にいた2時間,他に一人も観覧者がいなかったとは...そりゃ,確かに平日ではありましたが...
【メモ】川崎市市民ミュージアム 2006.7/8〜9/3