かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

松山・道後

  • そう言えば、愛媛県はまだ行ったことがなかったよね、ということで、LCCのチケットをセールで買って、松山に行ってきた。今回の目的は、かような次第で、愛媛県にとにかく行く、である。とは言え、後付けでいろいろ付け加わった。ひとつは、今年の道後温泉アートの招聘作家が、山口晃、ということで、これは、いいタイミングなので、道後温泉を訪ね、道後温泉アートを観て回ることにした(まあ、道後温泉には、もともと行くつもりだったのだが)。もう一つは、これも一度行きたいと思ってた大三島の3ミュージアムを訪ねること。こちらは、日程的には時間が足りないので、もともと念頭になかったのだが、ふとどうしても行ってみたくなり、時刻表の類をためつすがめつ眺めた上で、網羅的には回れないけど、3ミュージアムはなんとか回れそうだ、ということで、行ってみることにした次第。いろいろあって、ぎりぎり合格、ぐらいの旅行だったが、まあ、これもまたよし、と思いたい。
  • さて、最寄り7:00発のバスで、成田空港T3へ。乗客が多く、そのため、5分ほどだが、遅れて到着。保安検査場を通過して、72番ゲートへ。搭乗は、Jetstar GK405。ほぼ予定どおりの運行。11:10松山空港発のリムジンバスで、松山市駅まで。20分弱。410円。飛行機を降りた時点で、もわっとくる。今日は暑い一日になりそう。
  • なお、今回は、移動の間は、「失われた時をもとめて」の3冊目を読み継ぐ。やっと3冊目。今年中に全巻読破なるか? といっても、岩波文庫版で読んでいるので、まだ全巻刊行されていないのだが...
  • 今年は夏目漱石生誕150周年のメモリアルであることを思い出し、所縁の地も訪ねてみることにした。まずは、松山市駅近くの子規堂へ。50円。正宗寺という禅宗寺院の境内に、子規が松山で17歳まで過ごしたという家が復元されている。これが子規堂で、中には、所縁の品が展示してある他、子規の三畳間の勉強部屋が再現してあったりする。周囲には、多くの句碑の類がなどとともに、「坊ちゃん」に出てくる軽便鉄道の客車が設置してある。


子規堂内に復元された10代の子規の勉強部屋。

坊ちゃん列車の客車から子規堂を撮る。

  • 続いて、駅前から、松山銀天街大街道商店街とアーケード街を抜けて、「愚陀仏庵跡」へ向かう。愚陀物庵は、1895年(明治28)に愛媛県尋常中学校の英語教師として赴任した漱石が下宿したところで、子規が病気療養のために居候し、52日間同居したところでもある。愚陀物庵跡の碑は、松山三越の裏手の駐車場に建っている。なお、愚陀物庵の建物は、第二次大戦の空襲で焼失、1982年に萬翠荘(旧久松家別荘)の裏手に復元されたが、これも2010年の集中豪雨で倒壊し、現在は観ることができない。(今回はパスしてしまったが、松山市立子規記念博物館に1階部分が復元してあるとのこと。)


夏目漱石仮寓愚陀仏庵址」

  • 再び、アーケード街に戻り、途中、適当に昼メシを食らい、安くあげるなど。
  • 松山城ロープウェイの駅まで歩き、ロープウェイに乗って、松山城天守閣へ向かう。ロープウェイ片道270円。ロープウェイと併行してリフトが走っているが、こちらは設備点検中で、この日は運休。3分弱で、長者ヶ平駅に到着。ここから、10分ほど歩くと、松山城天守閣に至る。松山城天守閣510円。内部には、松山の歴史を辿る展示や武具の類の展示がある。天守閣に登る階段はとても急で、降りるときは踏み外さないように気を使った。帰りはロープウェイには乗らず、県庁裏登城道を歩いて下る。一部道に併行する登り石垣が見えた。松山城二の丸史跡庭園二の丸庭園は時間の都合もあり、今回はパス。








  • 道後温泉アート2016 道後温泉アートは、2014年に道後温泉本館の改修120周年を記念して始まったアートフェスで、昨年あたりから1名の美術家を招聘し、温泉(周辺)各所に作品を設置するなどしている。特にキュレーションがされているわけではなく、企画自体は、作家にお任せ、という感じか。地域アートというよりも、観光アートとでも呼んだほうがいい感じ(別にくさしているわけではない)。今年招聘されたのが、山口晃で「街歩き旅ノ介 道後温泉の巻」というタイトルで開催された。ちなみに、2015年は蜷川実花が招聘されて、今回は観られなかったが、一部作品が居残り公開されている。会期が、2016年4月29日〜2017年2月28日と長いこともあって、作品は、期間内に順次公開(一応、3段階に分けられているみたいだ)、順次終了という感じ。オレがでかけた時は、①道後エトランゼマップ、②道後温泉本館の展示、③ホテルギャラリーのだいたい3つが柱のようだった。①道後エトランゼマップは、山口晃的な道後/周辺の名所/迷所を10カ所ほどピックアップしたマップ+イラスト+ガイド。マップには「山口晃道後百景」「ごく私的迷所ガイド」ともある。これをたよりに、道後の町を歩き、山口晃的世界を楽しもうというもの。最初の50000部が無料配布で、無料分が終了後は200円で販売されるとのこと。後に書くが、オレ的には、このマップを見つつ、迷所をめぐったのが、今回の道後温泉アートの一番のキモ、というか、とてもおもしろかった。②道後温泉本館に設置された作品(複製)、およびにインスタレーションというか仕掛けの展示。③は道後温泉のホテルのロビーなどに設置された作品(複製)の展示。宿泊客以外も(一応)観覧することができる。(第1弾オープンの)現状では、道後温泉に浸かりにきたついでに、ちょっとおもしろそうかも、と覗いてみる、というのが正しい楽しみ方かもしれない。

>道後温泉アート2016

  • さて、一応HPで作品の設置場所などの予習はしたものの、今ひとつぴんとこない。とりあえず、行ってみればなんとかなるかな、といつもの作戦に出たが、道後温泉駅で下車しても、道後温泉アートの幟が各所にたなびいいているものの、作品展示のことはよくわからない。とりあえず、観光案内所に入ってみると、「道後エトランゼマップ」があったので、これは入手できたが、その他の作品展示については、パンフやマップがあるわけではなく、あまりよくわからない。仕方がなく、道後温泉の観光マップをもらい、自宅で控えてきたホテルギャラリーの場所などをマークし、歩いてみることにした。(なお、しばらく歩き回ってから見つけたのだが、道後温泉本館裏の坊ちゃん広場というところに、道後温泉アートの作品配置などを記したガイドマップがあった)。


はためく幟!

ポスターもいろいろなところに貼り出されていた。

このガイドマップはぼっちゃん広場にし見当たらなかった(他にもあったのかな?)。現状では、紙媒体での配布もなかったし...

  • 少し歩いて、土地勘をつかんでから、ホテルギャラリー回りをしようと思ったが、どうも入りづらい。ホテルの入口に、お客を迎えるスタッフが立っている(だいたい少し年配のおやじ)のだが、最初に行ったホテルで、にこやかに「ご宿泊ですか」、オレ「いや、山口さんの展示が観たいのですが」、露骨にぶすっとして「どうぞ」...以下、略、というやりとりがあって、一挙に萎えてしまい、また、展示作品も複製されたものということもあり、ガッツのないオレは、ホテルギャラリーは、精神衛生のため、放棄することにした苦笑
  • 「道後エントランゼマップ」 ということで、改めて、「道後エトランゼマップ」をたよりに、町中を歩いて見ることにした。

①02伊佐爾波神社→②03宝厳寺→③07ドーゴ・ダ・ジュール→④08上人坂へ→⑤06鷺谷墓地下→⑥05ひみつの花園 段々墓→⑦10道後富士→⑧09裏手の表→⑨04うらのおがわ→⑩01松山神社

① 02伊佐爾波神社

  • 掲載の絵より少し前方から撮ったもの。写真だと、なんだか味気ないなあ苦笑 

②03宝厳寺

  • これも諸般の事情でちょっと違う構図。宝厳寺は、時宗開祖の一遍上人の誕生地。2013年に火災で本堂と庫裏が全焼したとのことで、このとき、重要文化財に指定されていた《一遍上人立像》も消失してしまったのは残念。境内には、真新しい本堂と一遍堂が建立されていた。一遍堂には、先の《一遍上人立像》の複製と、《一遍聖絵》から4図の複製が展示してあり、観覧することができた。この他、多くの歌碑などがあった。

③07ドーゴ・ダ・ジュール

④08上人坂へ

⑤06鷺谷墓地下

⑥05ひみつの花園 段々墓

  • おそらくここが一番の難関。マップに「やっぱり細い道があったから、どんどん歩いていったら...」とあるのにぴんと来て、この道をどんどん歩いて行ってみた。



ふつう「どんどん歩いて」いかない。と思う。

⑦10道後富士

⑧09裏手の表

⑨04うらのおがわ


⑩01松山神社

  • 「眺めはすっかり良くなったが何とはなしに落ちつかぬ。」とマップにはあるが、最後に来たからか、この眺めがいい落ちになった。
  • ひととおり回り、いい汗をかいた後は、いよいよ道後温泉本館へ。で、温泉に浸かる。今回は、(展示の観覧もあるが、)奮発して、「霊の湯・二階席」1250円に。靴を脱ぎ、改札を通過し、奧へずんずん入っていく。突き当たりに階段があり、これを上がると、ぼちぼち道に迷ったような感覚になる。案内の人(お客の世話をするスタッフがけっこうたくさんいる)に促され、まず霊の湯入浴客用の休憩室へ。ここで荷物を置くと、浴衣とタオルを渡され、これを持って、霊の湯に浸かりに行く。何度か温泉に入ったり出たりしているうちに、いささかのぼせてきて、早々に退出、休憩室に戻る。ここで、風に吹かれながら、接待のお茶と瓦せんべいをいただいて、体を冷ます。一応持ち時間は1時間なのだが、この時間以内なら、何度も温泉に入れる。また、霊の湯だけではなく、もう一つある浴場の神の湯にも入ることも可とのこと(オレはのぼせて、ちょっと入れなかったが)。しばらくして、汗が引いたので、着替えた後、案内にしたがい、又新殿(皇族用の施設)、坊ちゃんの間などを見学する。道後温泉アート絡みの山口晃作品は、神の湯休憩室と霊の湯休憩室の床の間に旧作(複製)が展示されている他、インスタレーション的な仕掛けが...(割愛)。



ぶれちゃっているが。霊の湯休憩室。奧に見える冷蔵庫の中の牛乳がいい感じ。もちろん腰に手をあててごくごくやる。

浴衣の模様。

  • 公園北口子規記念館バス停から17:29発今治行き特急バスに乗車。1000円。道後温泉から国道187、357と山の中を突っ切り、今治まで1時間ほど。 
  • 今治バスセンターで下車。少し歩いたところにある、重松飯店という町の中華屋で、焼き豚玉子飯(並盛り)を食らう。650円+税。焼き豚玉子飯は、今治B級グルメで、有名らしい。



半熟の玉子(ちょっと固かった?)をレンゲで崩して、かき混ぜて、がつがつ食らう。甘めのタレと玉子の黄身がいい感じに混ざり合って、なかなか美味だが、割と味が単調なので、がつがつ、がポイントである。ゆっくり、だと、飽きてしまうかも(餃子とか、もう一品別に頼めよ)。この店、スープが美味しかった。次があったら、ラーメンの類を食らってみたい。

  • スーパーに立ち寄って、ホテルにチェックイン。
  • 今回宿泊したのは、ホテルポートサイド今治。やや古いビジネスホテルで、設備もWi-Fiがないなど古かったが、まあ、急遽、ホテルを変更したこともあって、やむなし。ただ、とても静かでゆっくり休むことができたのが良かった。