かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

 龍虎図とかるた展 (洛東遺芳館)

続いて洛東遺芳館(写真)に行きました.バスで五条坂で下車し,そこからは徒歩で15分くらい.三連休の中日ということもあってか,三条京阪祇園→東大路と車が渋滞していて,バスがなかなか進まず,これなら歩いた方がずっと早かったかな.
さて,それはともかく,洛東遺芳館は以前から一度訪ねたいと思っていたのですが,公開が秋冬それぞれ1ケ月ほどで,うまく日程があわず,ずっと果たせないでいました.前を通りかかったことは何度かあって,通りかかるたびに,近くの高級旅館,晴鴨楼ともども一度は行ってみたいものと,秘かに(!?)期していた次第ですが,このたび,長年の夢(かなりオーバー)を果たすことができました.
洛東遺芳館は,京都の豪商,柏原家の旧邸(柏原家は明治期に東京へ移る)で,現在は屋敷や庭園の他,小さな展示場があって,春秋それぞれにちょっとした企画展を見ることができます.
今回の展示は『龍虎図とかるた展』と題して,会場の1Fでは江戸時代中・後期,明治前期のさまざまな龍虎図が,また2Fではかるたと主に3枚続きの源平合戦に取材した浮世絵を見ることができました.
龍虎図は,狩野章信,宋紫石,石田幽汀,円山応挙,狩野寿石,岸竹堂といった絵師/画家のものが出ていました.印象に残ったのは,宋紫石《虎図屏風》(紙本金地着色・6曲1隻・明和5年[1768] ※ひょっとして6曲1双の半双かも?)と岸竹堂《虎図》(絹本着色・1幅)の2作.宋紫石の絵は実にカラフルな彩色で,どことなく曾我蕭白《群仙図屏風》の虎に似ている印象を得ました.それから,虎の目つきがよかったですね.迫力満点.ぐるるるると唸り声が聞こえてきそうでした.岸竹堂の虎は,これは逆になさけないくらいダメダメで奇妙な味わいがあるものでした.竹藪の中にちょこんと座っているのですが,これが虎というよりもどちらかという言うと蝦蟇でした.でも,変な愛嬌があって,それがいい感じ.竹堂はこんな絵も描いていたのですね.
かるたは,百人一首三十六歌仙,あるいは,伊勢物語のかるたが出ていました.他に《俳句かるた》なんていうのもあって,なかなかおもしろかったです.
展示を見た後,屋敷(柏原家住宅)も併せて見学.これが部屋数が多く,間取りも入り組んでいて,興味深かったですね.入口には,大岡春朴《唐子図/松図衝立》が置いてありました.《唐子図》は獅子舞をしたり,それを楽器で囃したりする唐子を描いたもの.春朴というと,絵よりむしろ画論を見かけることが多く,実際に絵を見るのは初めてのことでした.画論では割と辛口だったように憶えていますが,絵は普通でした(笑).また,この他に何箇所かあった床の間に掛幅が掛けありました.浦上春琴狩野周信らの軸でした.
座敷に座って,庭をしばらく見ていたのですが,何基かあった燈籠が記憶に残りました.苔がついて,緑に覆われたそれを見ていると,なんだか古代生物といった趣もあったりして,なかなか印象深かった.

【メモ】洛東遺芳館・平成17年度秋季展『龍虎図とかるた展』
10/1〜11/3 10:00〜16:00 月曜日休館 一般300円 学生200円


この後,ふらふらと歩いて次の目的地京都国立博物館へ向かいました.途中,耳塚を見たり,豊国神社に立ち寄ったり...豊国神社前では,またしてもタクシーがたくさん止まって,運転手のみなさんが手持ちぶさたに立ち話をしていましたが,一体なんなのかしら.ここのところ,この情景,よく見かけます.それはともかく,今日は正門から京博に入りました.入場はいつも南門から,退場は正門からというのが私のパターンなんですが,正門から入る,というのはなんと初めて!!(といっても,どうってことありませんが)