フランシスコ・ゴヤ版画展 『きまぐれ』『戦争の惨禍』 （神奈川近代美術館 鎌倉別館）

スペインの画家，フランシスコ・ゴヤ（1746〜1828）の2つの版画集『きまぐれ』（1797年着手．1799年初版）と『戦争の惨禍』（1810年着手．1815年頃完成．1863年初版）の全点展示です（いずれも神奈川県立近代美術館の所蔵）．鎌倉館の『昭和の名作展』のチケットで見ることができました．
実は堀田善衞が好きで，ずっと以前のことですが，彼の作品をまとめて読んだことがあります．その中にはもちろん『ゴヤ』4部作も含まれているわけで，その縁でゴヤの作品にも一時期はまっていました．最近では森村泰昌の仕事を通じてゴヤを遠くから眺めていたのですが，こうしてゴヤの仕事をまとめて見るのはそれ以来のことで，個人的にいろいろと感慨なんかもあったのですが，それはそれとしてやはりおもしろかったですね．人間の黒い本性というか，悲惨な側面を，哄笑の力で半ば力業をもって描ききってしまうゴヤという男の強さにあらためて思い至った次第です．
ゴヤの他に，ルドンの版画なども展示してありました．
また，鎌倉館と鎌倉別館にはそれぞれ彫刻作品が戸外に展示してあるのですが，みぞれが降っていたりで，寒くて寒くてたまらず，残念ながらそれはまた別の機会に，ということにしました．（帰宅後，チェックしたら李禹煥の作品もあったんですね．．．失敗）
【メモ】神奈川県立近代美術館　http://www.moma.pref.kanagawa.jp/museum/index.html　　会期：2006.1/4〜3/26