かけらを集める(仮)。

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 国宝 風神雷神図屏風 −宗達・光琳・抱一 琳派芸術の継承と創造−  (出光美術館)

66年ぶりに俵屋宗達尾形光琳酒井抱一による3つの《風神雷神図屏風》を一堂に会した展覧会です.
風神雷神図屏風》は,展示室1にて,風神・雷神の図像の系譜を解説したパネル,拡大写真によって3作の細部を比較したパネルなどとともに展示してありました.
会場はそれほど混んでいませんでしたが,やはり宗達前はなかなかの人だかり.それから解説パネル前もテキストを読む人の列が出来てやや渋滞気味.パネルの内容はおおよそはカタログに収録されていますので,とりあえずパネルはパスでいいかと.でもって,まずは66年ぶりの一族再会をアップでじっくり,ひいてばっちり見ようではありませんか.一通り絵を見た後で,展示室の出口で販売しているカタログを手に入れ,休憩かたがたロビーのソファーでお茶などをすすりつつ,眼を通すんですね.解説の要点が頭に入ったところで,おもむろに2回目の観覧に赴く.とういうような作戦がオススメかなと.問題はロビーの椅子の確保がけっこう難しかったりすることなんですが(笑).
展示室2,3は「琳派芸術の継承と創造」と題する展示.「秋草図の遺伝子」「梅を愛でる」「燕子花図の変容」「受け継がれる琳派 −抱一の光琳顕彰」の4章構成で,主に出光美術館所蔵の琳派作品が出ていました.
ここでは酒井抱一の《夏秋草図屏風草稿》や同じ抱一の《八ツ橋図屏風》あたりが見どころでしょうか.《夏秋草図屏風草稿》の草稿じゃない方はつい先日まで東博に出ていましたね(展示期間:2006.8/8〜9/18).今回の展示で草稿が見られて,なかなかおもしろかった.
また,「受け継がれる琳派」の章では,初公開の尾形光琳の《唐子布袋・松・梅図》《立葵図》(ともに個人蔵)が出ていました.《唐子布袋図》は『光琳百図後編』に,《立葵図》は『光琳百図』にそれぞれ掲載されているものです.また,俵に乗った大黒天をかわいらしく描いた光琳《大黒天図》も出ていました.こちらは抱一が箱書きを書いていて,展示ではその箱も出ていました.
併設展の「仙突」さんは,展示室3の一隅に3幅のみの展示でした.展示作は《指月布袋画賛》や《○△□》などで,それぞれ仙突らしい味わいが出ているもの.とはいえ,量的にはもっと見たかったかな.
【メモ】出光美術館 2006.9/9〜10/1 カタログ1500円